マガジンワールド


FOOD NEWS vol. 04 犬養裕美子の「今日、どこで何、食べる?」 『東京 東洋軒』のメンチカツ

FOOD NEWS
  • RESTAURANT _ 犬養裕美子
  • GIFT _ 真野知子
  • SWEETS _ chico
  • NEW STANDARD _ 平野紗季子
vol. 04
犬養裕美子の「今日、どこで何、食べる?」
『東京 東洋軒』のメンチカツ
「メンチカツ」¥2,400(+サービス料10%)。ソースはデミグラスソースとウスターソースの2種がつく。どちらも自家製。
「メンチカツ」¥2,400(+サービス料10%)。ソースはデミグラスソースとウスターソースの2種がつく。どちらも自家製。
 
美しい…。皿を見た瞬間、目を見張った。こんなに均整の取れたメンチカツ、見たことない。三重の老舗洋食店〈東洋軒〉が東京に出店。エグゼクティブシェフは青山〈NARISAWA〉成澤由浩シェフが務め、「新しい洋食を創る!」と燃えていたが、なるほど、凄いオーラ!
 
背筋を伸ばしてナイフを入れれば、ホワッと湯気があがり、その断面からジュワ〜っと香ばしい脂があふれ出る。あ〜、これぞ肉の〝ソース〞! 大急ぎで一口ほおばる。その甘味と豊かな旨味。そして驚くのは後口のさわやかさ。今までのフライものとはまったく違う。いったいナゼか? その秘密は素材、調味料にあった。パン粉は国産小麦粉を使い、衣を作るためにパンから焼く(専門店でもパンから作る店は稀)。肉は松阪牛と鹿児島の放牧豚。無駄な脂は徹底して落とし、旨味になる良質の脂を選び、別に加える(これが溶け出すソースの正体)。そして揚げ油は国産の米油(価格的にはコスト高だが揚げ感は極上)。
 
成澤シェフは、洋食の定番を守りつつ、日本の素材にこだわり、軽く仕上げる。これこそ和と洋のハイブリットだ。メンチカツのためにおしゃれして足を運ぶ。価値あるレストランとは、目指す料理があるお店をいうのだ。

いぬかい・ゆみこ/レストランジャーナリスト。東京を中心に、国内外の食文化、レストラン事情をレポート。
 
東京 東洋軒東京 東洋軒
東京都港区元赤坂1-2-7 赤坂Kタワー1F 
☎03・5786・0881
11:30~15:00(14:00LO)、18:00~23:00(21:00LO) 不定休


写真・清水奈緒 取材、文・犬養裕美子