マガジンワールド


FOOD NEWS vol.11 平野紗季子のMY STANDARD GOURMET 『按田(あんだ)餃子』の水餃子定食。

FOOD NEWS
  • RESTAURANT _ 犬養裕美子
  • GIFT _ 真野知子
  • SWEETS _ chico
  • NEW STANDARD _ 平野紗季子
vol. 11
平野紗季子のMY STANDARD GOURMET
『按田(あんだ)餃子』の水餃子定食
4種の水餃子に豚そぼろご飯とスープがセットででてくる「水餃子定食」¥1,000と「ゆでらげ」¥450(共に税込み)
4種の水餃子に豚そぼろご飯とスープがセットででてくる「水餃子定食」¥1,000と「ゆでらげ」¥450(共に税込み)
 
〝助けたい包みたい〞が合い言葉の按田餃子。そのちいさな店内はいつだってふくふくとした空気に満ちている。
 
ハトムギ入りの皮で作るちゅるん歯ごたえの水餃子はお店の自慢。鶏の餃子は香菜に胡瓜、豚の餃子は生姜やカレースパイスが漂って、こんなに香りいい餃子たちを他に知らない。餃子の味は4種類、その全部が食べられる水餃子定食は、海藻入りのスープと白ごはんがついてくる。まっさらなはずの白ごはんを食べ進めると、実は底に茹で豚とタレが敷かれていて、ニクい程の愛…。つい欲を張って頼んでしまう小皿料理の「ゆでらげ」は、ぷるぷるの茹できくらげが、なめらかなアボカドと甘酢タレに絡まって、その相性のよさったらない。絶好調のおいしさだ。
 
按田餃子はいつも女の子のことを想う。油を避けるし、しれっと発酵食品をおすすめする。一人前は小さいし、通し営業をする(とても嬉しい)。たとえば、その店に行くために旅行したいのがミシュランレストランだけど、この店はちょうどその真逆のところにあると思う。毎日だって通いたい。按田餃子のために代々木上原に引っ越したい。そんな気持ちを、あながち大げさではなく心に抱いてしまうほど、すがすがしくてすこやかな愛の食堂。〝助けたい包みたい〞は有言実行。お店を開いてくれてありがとう。

ひらの・さきこ/1991年生まれ。食ブロガー。著書にエッセイ集『生まれた時からアルデンテ』(平凡社)。
 
按田餃子按田餃子
東京都渋谷区西原3-21-2 ☎03・6407・8813
11:30~23:00(22:30LO) 火・水曜休 
http://andagyoza.tumblr.com/


写真・清水奈緒 文・平野紗季子