マガジンワールド


FOOD NEWS vol.43 平野紗季子のMY STANDARD GOURMET 『ヒバリ』のかぶのグラタン

FOOD NEWS
  • RESTAURANT _ 犬養裕美子
  • GIFT _ 真野知子
  • SWEETS _ chico
  • NEW STANDARD _ 平野紗季子
vol.43
平野紗季子のMY STANDARD GOURMET
『ヒバリ』のかぶのグラタン
「かぶのグラタン」(Sサイズ)¥900 開店中はもちろん、仕込みの時間も楽しくなってしまうというセイコさん。「フライパンに朝の光が差して、キノコなんかが味をまとっていく世界はもう、本当に美しいんですよ」
「かぶのグラタン」(Sサイズ)¥900 開店中はもちろん、仕込みの時間も楽しくなってしまうというセイコさん。「フライパンに朝の光が差して、キノコなんかが味をまとっていく世界はもう、本当に美しいんですよ」
 

「本当においしいお野菜は、食べるとこのへんに(鼻のまわりを指しながら)きゅーん! とくるんです」。そう嬉しそうに語るのは、ごはん屋『ヒバリ』の店主・タナカセイコさん。お店を開くきっかけは、広島のとある農家さんとの出会いだったそう。

「小さな道の駅で出会った小田さんの野菜(古来種を中心に無農薬で育てている)を食べて感激して、この素材で料理がしたい! って思ったんです」。そんな始まりだから彼女の野菜愛はひとしおで、ヒバリといえば野菜がおいしい食堂なのだ。「野菜に追われて生きてる感じです。初夏になったら山椒や梅やらっきょうがやってきて……土の香る段ボールが届くたびに全部おいしく使ってやろうってメラメラします」

甘くジューシーなかぶと皮付きの蓮根(歯ごたえシャキシャキ)がごろりと入った「かぶのグラタン」は、寒い冬の特別。熱々チーズとベシャメルソースの間にひそんだ春菊の香りが、あとからじーんと効いてくる。シンプルだけど地味じゃない、たしかに力強いヒバリの料理たち。足を運ぶうちに普通の野菜じゃ物足りなくなってしまう人もいるのだとか。「無理矢理彼女に連れてこられた感じのジャンク好きな男の子が、ぱくぱく料理を食べて、おいしかったです! って喜んで帰っていくのを見ると、よっしゃあって思うんです」

ひらの・さきこ 1991年生まれ。食ブロガー。著書にエッセイ集『生まれた時からアルデンテ』(平凡社)。
 
ヒバリヒバリ
東京都世田谷区砧8-7-1-2F 
☎03・3415・4122 
水~土曜18:00~23:00(22:30LO)、日曜12:00~16:00 
おまかせ前菜からごはんまで楽しめる、おまかせ(¥3,500 )コースも。
hibarigohan.com

写真・清水奈緒 取材、文・平野紗季子