マガジンワールド


FOOD NEWS vol.111 平野紗季子のMY STANDARD GOURMET 『初台スパイス食堂 和魂印才 たんどーる』の和魂印才カレー

FOOD NEWS
  • RESTAURANT _ 犬養裕美子
  • GIFT _ 真野知子
  • SWEETS _ chico
  • NEW STANDARD _ 平野紗季子
vol.111
平野紗季子のMY STANDARD GOURMET
『初台スパイス食堂 和魂印才 たんどーる』の和魂印才カレー
左から「ひじきと干し椎茸のトマトカレー」、「鶏ひき肉とナンコツのキーマカレー」、「根菜のカレー」。ランチではカレー2種盛りのセット¥1,100~(カレーは週替わり、サラダ、雑穀ライス、つけあわせつき)のみ。
左から「ひじきと干し椎茸のトマトカレー」、「鶏ひき肉とナンコツのキーマカレー」、「根菜のカレー」。ランチではカレー2種盛りのセット¥1,100~(カレーは週替わり、サラダ、雑穀ライス、つけあわせつき)のみ。
 

今春、劇的なカレーニュースが舞い込んだ。「あの“たんどーる”が復活するらしい!」。なんと、沼袋で多くの人に愛されながらも2015年3月に閉店したカレーの名店が、初台で復活するというのだ。恥ずかしながら沼袋時代に店を訪ねることができず、文献を読んでは“幻の味”に想いを馳せていた私は直ちに初台へ駆けつけた(己の舌で味わえる日が来ようとは!)。そして直面したリアルたんどーるカレー。そのファーストバイトはあまりに強烈で、思わず「オオォゥ!」と声をあげてしまった(一人なのに)。頂いた「ひじきと干し椎茸のトマトカレー」は、干し椎茸特有のグアニル酸とひじきの海の香りがグワーンと奥深い和の旨みを醸し、そこに香り高いスパイスが弾けるなんとも心地よい世界。それは完全に味覚地図の新天地であったし(カレーに椎茸とひじきが合うなんて!)、それでいて普遍的な美味しさを持っていた(日本人全員好きだと思う)。

長年に渡り磨かれてきたインド料理のテクニックと、日本人ならではの味覚が美しく交差する塚本善重氏の料理は、まさに和魂印才。そこには地球のどこを探しても見つからない、勇気と自信に満ちたオリジナルの味がある。情熱のカレー大陸。たんどーるが見出した新しい地平に心掴まれる人は後を絶たない。

ひらの・さきこ 1991年生まれ。フードライター。著書にエッセイ集『生まれた時からアルデンテ』(平凡社)。
 
初台スパイス食堂 和魂印才 たんどーる初台スパイス食堂 和魂印才 たんどーる
東京都新宿区西新宿4-41-10スカイコート西新宿1F ☎03・6276・2225 水~金曜のランチのみ11:45 ~14:30(金曜~14:00)※売り切れ早じまいの場合もあり www014.upp.so-net.ne.jp/tandoor/


写真・清水奈緒 取材、文・平野紗季子