マガジンワールド


From Editors No. 781 フロム エディターズ

From Editors 1

臆することなかれ、たとえその道長くとも。
その一歩、先輩とともに踏み出せば、
エンタメの真髄に手が届くだろう。
僕らがエンターテインメントにかけられる時間は限られている。本、映画、音楽、ゲーム、今なんかはウィンブルドンもやっているし、ワールドカップも真っ盛りだから、時間のやりくりが大変だ。だから間違いはしたくない。自分でチェックを怠らないのはもちろんだが、それぞれの道に精通する“先輩”を持つことも重要だ。

たとえば、映画。少し熱心に「最近おもしろい映画」について周囲に聞いたり、映画評を見る目を養えば、駄作に衝突することは少なくなる。たとえば本。書評を読めば、ちょっとした小難しい本だとしても、よき道標になってくれるかもしれない。

スティーブン・スピルバーグ、マーティン・スコセッシ、スティーブン・ソダーバーグにデヴィッド・フィンチャー。ベネディクト・カンバーバッチからケヴィン・スペイシー、マシュー・マコノヒーまで。映画界の才能と企画がどんどん集まる海外ドラマによき先輩はいないだろうか?

批評でも評論でもなく、長時間を要する登山(『ハウス・オブ・カード 野望の階段』 を全部観ると約11時間超。これにシーズン2も控えていると考えると、なかなかの高山である)を導いてくれるシェルパのような。

今回の特集は、自分の生活の時間も削り、愛するドラマを観続け、今回あらためて長時間をかけて観直してくれた先輩とともに作った偏愛ドラマ特集だ。思う存分勝手に自分が好きなドラマを“推し”てもらい、微細に解説をしてもらった。

先輩にブルータスからお願いしたのは、『1st story–第一話を簡潔にわかりやすく解説』と『must-see–いったいどのシーズンの何話まで我慢して観続ければ、エクスタシーを感じられるのか』のふたつ。ここを読んで、おもしろそうと思えば、まずは間違いないスタートを切れることと思う。

この特集を読めば、エンターテインメントにかけるタイムマネジメントの大幅修正が必要になるだろう。でも、絶対に損はさせませんから。

 
●杉江宣洋(本誌担当編集)
『ハウス・オブ・カード 野望の階段』『ブレイキング・バッド』『キリング/26日間』にハマったこの特集期間。次に控えるのは、付箋をはったこのドラマ。
『ハウス・オブ・カード 野望の階段』『ブレイキング・バッド』『キリング/26日間』にハマったこの特集期間。次に控えるのは、付箋をはったこのドラマ。


 

From Editors 2

一瞬も気を抜けない。
ドラマティックな編集現場。
「すぐだ! 今すぐにデータを送ってくれ!」「このままだともう終わりだ! 早急に次の作戦を教えてくれ!」「弱音を吐いてなんていられるか! 頑張れ! 頑張るんだ!」……海外ドラマのセリフの書き抜きではありません。私の締め切り間際の様子です(若干の演出を加えています。ご了承ください)。今回、“海外ドラマ愛”が誰よりも深い執筆陣にお世話になりました。しかし、いつにも増して原稿が締め切りギリギリで……。

なぜか。比較的スタートして間もないドラマなら話は別ですが、シーズンを重ねた長寿作品だと放映されたエピソード数はかなりのものになります。例えば、私が寝る間も惜しんで観た『ブレイキング・バッド』は全部でシーズン5まであります。総エピソード数が62。若干の長短はありますが、1話がだいたい50分くらいなので、最後まで観るのに要する時間は、なんと50時間超! レビューやコラムを書くに当たって、ストーリー展開や登場人物の人間関係、具体的なセリフまで確認するために、作品を観返して細かくチェックしなくてはならず、多くの時間と労力が必要となりました。結果、エキサイティングな海外ドラマのような、手に汗握る展開になったのです。

ただ、愛情が詰まった文章は読み応え充分です。『ブレイキング・バッド』の次に観たい作品が5作品ほど見つかりました。まだしばらくの間、私の掌は乾きそうにありません。

 
●阿部太一(本誌担当編集)
編集部にある、この時計を何度見上げたことでしょう……。ちなみに、第2特集は「時計」がテーマです(写真と第2特集の内容は関係ありません)。
編集部にある、この時計を何度見上げたことでしょう……。ちなみに、第2特集は「時計」がテーマです(写真と第2特集の内容は関係ありません)。