マガジンワールド


From Editors No. 783 フロム エディターズ

From Editors 1

都会の人間こそ、外遊びが必要だ。
外でのいろんな遊び方、紹介します。
小学生の頃からずっとボーイスカウトに親しみ、大学時代はテニスやスキーに明け暮れてた。外で遊ぶのが何よりも好きだった。はずなのに、気がついたら休日に朝早く起きるのが難儀になって、積極的にアウトドアしていない自分がいたり。でもそもそも、アウトドアってもっと身近なはず。特に、半ズボン履いて真っ黒になるまで遊んでた男子にとっては!(いや、今でも夏は常に半ズボンなんですが……)。僕たちが知らない外での遊び方、まだまだあるんじゃないか。なら周りのアウトドアマンたちと一緒に遊びに行って、面白さのヒミツを覗いて来ちゃおう。そして、ブルータスならではの“アウトドア大全”をつくってみよう。そんな心持ちで、今回の特集はスタートしました。

ひなたぼっこからシャワークライミング(沢登り)まで硬軟織り交ぜ、ロケの毎日だったこの取材。そこで再確認したことは、アウトドアとの上手な付き合い方こそが、都市での毎日をより楽しくするのだ、と。今回、大好きな昆虫採集とあって取材を快諾してくれた(僕のヒーロー!)・甲本ヒロトさんは、自ら作った最愛のクワガタの標本を手にしながらフジロックで何時間も虫たちを眺めていた話を披露してくれたり、オレゴン取材では〈Stumptown Printers〉のエリックたちと自転車キャンプに出かけたのですが、仕事終わりにふとキャンプに出かけて翌朝そのまま出勤することもある彼ららしい、いい意味で肩に力の入っていないキャンプスタイルを見せてくれたり。〈LIFE〉の相場正一郎さんは山頂で素敵なランチを振る舞ってくれ、〈パドラーズ・コーヒー〉の加藤健宏さんは多摩川源流の水で美味しいコーヒーを淹れてくれました。都会があってこその外遊び、アウトドアあってこその都会の毎日。2012年「キャンプしようよ」、2013年「歩こう。」に続く、夏に向けてのアウトドア特集は、ブルータスならではのアウトドアとの付き合い方をたくさん紹介できたかなと思っています。

最後に、30年前に書かれた芦沢一洋さんの名著『アーバン・アウトドア・ライフ』のこの一節を。皆様、楽しい夏をお過ごしくださいね。

「この都会は強力な再生力を秘めていると思うのだ。それを支えるのは、目まぐるしく成長する自然の力。この都会に、ほんの少しの自然との共生心をふりかけたなら、たちまち心地良い景観、居住環境を獲得することが出来るような気がしてならない。それにはまず戸外の自然とつきあう人、その心地良さを知る人が多くなり、その人たちが都市の住人になることが必要ではないか………」

 
●田島 朗(本誌担当編集)
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アウトドア特集の撮影はそこそこハード。上は自らモデルとなって大きな昆虫採集用の網を持ち上げるカメラ伊藤徹也。下はヴァンの上に乗って自転車シーンを撮影中のカメラ今津聡子(とその勇姿を撮影するライター西野入智紗)。ハードだけどみんなわいわい楽しんだロケの日々でした。


 

From Editors 2

川の水を頭から浴びる、
夏の爽快 “外遊び”について。
というわけで、一足早く夏のアウトドアを堪能してきたわけです。前回担当したアウトドア特集では「キャンプ」がテーマだっただけに、焚き火を囲んでばかりいたような記憶がありますが今回はもう少しだけスポーティな特集になったかと思います。

その中のひとつ、丹沢で体験してきたシャワークライミングについて書いてみようと思います。目黒の五本木にあるレコードショップJAZZY SPORTのmasayaさんとその仲間たちと葛葉川へいってきました。人気のシャワクラですが、ご存知ない方に簡単に説明しますと、沢沿いに山を登る「沢登り」という登山スタイルが日本には古くからありますが、その進化系というか、沢のド真ん中(端でもいいのですが)をザブザブと歩きながら、時には腰に巻きつけたハーネスを使って滝をよじ登ることも。頭上からはザバザバと水が流れ落ちてくるのですが、これがとても気持ちがいい。

手元は水飛沫でほとんど見えません。手探りで“手がかり” “足がかり”を探していきます。滝を登る途中で何度も諦めようと試みたのですが、頭上の先に登った人たちからの「お前の人生と一緒だぞー」とか、足元でこれから登らんとする人たちからの「えー、諦めるの?」とかなんとか。やんや言われるものだから、最後は意地になって8メートルある垂直の滝を登り切りました。あれほど「本気」なったのは本当に久しぶり。だって、ならざるを得ないですよ、手を離したらに死ぬかと思ったし。

実際はハーネスをつけているので手を離しても岩壁に叩きつけられることはないのですが、それでも滑り落ちた瞬間に岩にアゴとか打って前歯が折れた・・・・・なんてことありませんか? とガイドさんに聞いたところ、「そんな人はいままでいませんね」とのこと。優秀なガイドさんのおかげで最後まで無傷で登頂。でも危険は帰りにありました。小さな滝を下っていく途中、最後に怠けてジャンプしたところ滝壺の中に岩があってそこにスネから着地。「すっねぇ痛え」なんてシャレてる余裕はまったくなく本当に痛かった。ちなみにフルスーツのウェット着用でスネまでガードしていたので、皮は大きく削れましたが、事なきを得ましたよ。

 
●町田雄二(本誌担当編集)
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いや〜、こうやってあらためて見るとすごいな俺。滝にしがみついて、なにやってんだおっさん(笑)。この写真は上から撮ってるからわからないけど、8mありますからね。ウェアとか、ヘルメットを貸してくれたフルマークスの田中嵐洋氏に感謝。この〈POC〉ってヘルメットもかっこいいのでおすすめです。