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Special Contents WHAT’S THE NEXT COMIC?

8本の「いま読んでおきたい漫画」の1〜2話分を再録した今号。再録作品を読んだ後には、「次に読む9冊」をおすすめします。選書をするのは、BRUTUS、コミックナタリー、マンガHONZの3編集部。本誌では、それぞれ3冊ずつ計9冊を推薦していきます。ここでは、『アイアムアヒーロー』、『BLUE GIANT』、『雪花の虎』という3本の再録作品の次に読む漫画を、各編集部が挙げた1冊ずつをご紹介。もう一度、漫画を!

『アイアムアヒーロー』
の次に読む9冊。


BRUTUS 選
『就職難‼ ゾンビ取りガール』
福満しげゆき
零細ゾンビ回収会社のモテない青年は、就職難の中で入社した女の子の指導にあたる。『週刊Dモーニング』で連載中。既刊2巻。講談社/600〜619円。
新ジャンル!「ゾンビアクションラブコメ」。
日常エッセイ漫画でコアな層に激しい共感を呼んでいる福満しげゆきの、日常系ゾンビ漫画。ゆるい日常の地続きに、ゆる弱いゾンビが街を徘徊する世界。『アイアムアヒーロー』の緊張感とは真逆だが、捕獲メカマニアの青年とかわいい新人バイト女子が繰り広げる戦闘シーンなど、ついついハマる魅力が。
コミックナタリー 選
『Z』
相原コージ
感染すれば死が待っている。発生初期、発生中期、発生後期。3段階の時間軸で展開される珠玉のゾンビストーリー。全3巻。日本文芸社/各590円。
ゾンビ愛に溢れるユーモア交じりのホラー。
ギャグ漫画界の重鎮がほとばしるゾンビ愛をもって描くパニックホラー。いじめられっ子やヤクザ、カップルなど、さまざまな人物に起こる悲劇が、お色気やユーモアを交えてオムニバス形式で展開されていく。「ゾンビは走らない」「頭を破壊しても死なない」といった作者ならではのゾンビ原則も。
マンガHONZ 選
『アポカリプスの砦』
イナベカズ/漫画、蔵石ユウ/原作
不良が集まる更生施設に無実の罪で収監された義明。それだけでも絶望的な状況なのに人間を食らうゾンビまで登場し。全10巻。講談社/429〜450円。
対立するのか共闘か。すべては生きるために。
ケンカの強さで形成されたヒエラルキーの中で生きる不良たちが、ゾンビと戦う。投獄された不良たちは、パンデミックが起き、ゾンビが溢れる世界でその青春を過ごすことになる。しかし、生き抜くために少年たちが力を合わせ、全力で立ち向かう姿が、「青春」そのものとして読者に迫ってくる。


『BLUE GIANT』
の次に読む9冊。


BRUTUS 選
『8エイト』
楠みちはる
高校生のエイトは自宅で一人ギターを楽しむだけの音楽生活だったが、中学の同級生ニーナとの再会が劇的な変化をもたらす。全4巻。講談社/各562円。
血で沸く音と、魔法の名器に紐解かれる伝説。
車やバイクをお家芸としていた楠みちはるが音楽漫画に挑戦。主人公エイトが纏(まと)う多くの謎は、今は亡き父やその父から受け継がれた幻のギターを糸口に真実へと迫るが、なにより若い才能の萌芽と成長過程に胸が熱くなる。謎めく伝説と名器の掛け算は、まさに楠マジック。ジャンルが変わろうとも健在だ。
コミックナタリー 選
『あのこにもらった音楽』
勝田 文
母親の死後、梅木旅館に引き取られて育った梅子は、旅館の一人息子で元・天才ピアニスト、蔵之介のピアノを子守歌に育つ。白泉社/752円(愛蔵版)。
ほっこり、キュンとできる音楽漫画。
梅木旅館に引き取られた梅子と、旅館の一人息子でピアニスト・蔵之介、15の年の差がありながらも兄妹のように育った2人を描く物語。熱気ほとばしる『BLUE GIANT』とは真逆の、ほっこりできる音楽漫画。「ブラームスの子守唄」などクラシック音楽もたびたび登場する。作者の描くダメ男も魅力的。
マンガHONZ 選
『俺と悪魔のブルーズ』
平本アキラ
「クロスロード伝説」で知られる“伝説的ブルースマン”を描いた本格ストーリー漫画。『ヤングマガジンサード』で連載中。既刊5巻。講談社/各666円。
アメリカ、深南部で鳴るブルーズへの憧憬。
1920年代の米国、農園で働く黒人RJは妻子の命と引き換えに超人的ギターテクを手に入れる。ストーンズやクラプトンがカバーした伝説のギタリストR・ジョンソンがモチーフ。悪魔に魂を売った「クロスロード」、生け贄に差し出した妻子への「無情の愛」、猥雑な南部の酒場で鳴るブルーズ、そんな物語。


『雪花の虎』
の次に読む9冊。


BRUTUS 選
『武田信玄』
さいとう・たかを/著、新田次郎/原作
上杉謙信の宿命のライバル“甲斐の虎”こと武田信玄を描いた新田次郎の小説を巨匠さいとう・たかをが漫画化。全6巻。リイド社/各600円。
謙信のほかに“虎”と呼ばれたもう一人の武将。
上杉謙信の生涯を語るうえで欠かすことのできない人物、武田信玄は“甲斐の虎”と呼ばれ、謙信最大のライバルである。『雪花の虎』では痩せた体形の柔和な顔立ちで描かれるが、こちらの武田信玄はさいとう・たかをの劇画タッチで力強く描かれている。併せて読めば両方の視点で物語を楽しめる。
コミックナタリー 選
『風光る』
渡辺多恵子
兄と父を殺された富永セイは、仇討ちのため性別を偽り壬生浪士組の入隊試験を受ける。『月刊フラワーズ』で連載中。既刊38巻。小学館/390〜429円。
男装の壬生浪士を描く、約20年続く少女漫画。
性別を偽り男社会で生きる女性を描いた歴史ものをもっと読みたいなら。原点回帰して手に取りたい、言わずと知れた名作。幕末の京都を舞台に、後の新選組となる壬生浪士組に男装して入隊したセイと、彼女を見守る沖田総司を描く少女漫画。1997年より、約20年にわたり現在もまだまだ連載中。
マンガHONZ 選
『レベレーション』
山岸凉子
歴史上、唯一克明に記録された「神の啓示」というある種の超常現象を歴史漫画の名手が描く。『モーニング』で隔月連載中。既刊1巻。講談社/600円。
伝説の少女が歩んだ敬虔で壮絶な軌跡。
映画にもなった男女逆転の時代劇、漫画『大奥』の作者・よしながふみに「NHK大河ドラマでやってほしい」と言わしめた大作といえば、『日出処の天子』。その作者である山岸凉子が、ジャンヌ・ダルクを主人公にした……といえば、手に取らざるを得ない。神との邂逅は幸か不幸か。


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