ブルータス - BRUTUS | みやげもん | 079 横向き虎/茨城

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みやげもんコレクション 079
横向き虎
茨城県/ひたちなか市
文 / 川端正吾
掲載:BRUTUS#674 (2009年11月15日号)
赤・緑・黄の洒落た顔でちょっぴり斜に構えた那珂湊の首振り虎。

 来年の干支、“寅”にまつわるみやげもんの第2弾。今回は茨城県の漁港の町、那珂湊で古くから作られている干支の張り子です。とはいっても、虎と兎だけ。こちらの張り子は、江戸末期に飯田喜七が漁船の安全を祈願しただるま作りを始めたのが最初。2代目から動物の張り子も作り出し、ある寅年と卯年に作った干支張り子が評判となったのですが、なぜか翌辰年からは作られず、この2つの干支だけが伝統的な型として残り、現在に伝わっています。


 那珂湊の虎は「横向き虎」と呼ばれるとおり、体に対して少し横に穴が開いており、首が横を向くように取り付けられています。首振りタイプの張り子で横向きというのは、なかなか珍しいです。おかげで、体の模様が見えるように真横に飾っても、赤・緑・黄のラスタカラーで彩られたポップな顔は、しっかりこちらを向いてくれます。「グハッ!」と吐息が聞こえそうなくらい豪快に口を開けた表情も愛嬌たっぷり。虎のみやげもん第1弾(670号)でご紹介した「腰高虎」も“顔横向き”に、“グハッ顔”でしたし、ここがツボみたいです。

     
那珂湊の張り子は、茨城県指定工芸品にも選ばれており、県内の特産品店などで販売されている。右/だるまや兎、首が正面を向いた虎の張り子もある。左/12月の暮れの市にはだるまがズラリと並ぶ。