マガジンワールド


みやげもんコレクション 166 犬のぴぃぴぃ

東京都/赤羽
文 / 川端正吾

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ぴぃぴぃと鳴く凝った仕掛けの江戸趣味玩具。

以前ご紹介した「いまどき焼」というみやげもんを、覚えていますでしょうか? 昭和初期に途絶えてしまった今戸焼の窯元〈尾張屋〉で使われていた型を中心に復元されている土人形です。今回ご紹介するのは、そのいまどき焼の中でも一風変わった仕掛け玩具「ぴぃぴぃ」。土人形の台座の部分が反古紙でできた蛇腹になっており、これを押し引きすると、人形の中に仕込まれた竹笛に空気が送り込まれ「ぴぃ! ぴぃ!」と鳴ります。この複雑な仕掛け部分の構造にどうしても手がかかってしまうため数が揃わず、また細かな材料も入手困難になったことで、復元を担当する職人の吉田義和氏も一時は製作を中止していましたが、先日、材料調達のメドが立ち、めでたく製作が再開されることになりました。写真上の犬以外にも招き猫やラッパ吹き達磨、里神楽などの人形が載ったタイプなどもあります。昔は狸の人形の中にビードロが仕掛けてあり、蛇腹を動かすことで「ぽこっ! ぽこっ!」と鳴る、「たぬきのぽこんぽこん」という玩具もあったそうですが、残念ながらこちらは現在は作られていません。
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写真左/招き猫のぴぃぴぃ。写真上の犬も共に2,750円。注文は吉田氏のメール(kabusan@athena.ocn.ne.jp)まで。写真右/染められた杉板に反古紙の蛇腹を貼って作られている台座部分。

写真左/招き猫のぴぃぴぃ。写真上の犬も共に2,750円。注文は吉田氏のメール(kabusan@athena.ocn.ne.jp)まで。写真右/染められた杉板に反古紙の蛇腹を貼って作られている台座部分。



掲載:BRUTUS#761 (2013年9月1日号)