マガジンワールド


みやげもんコレクション 171 江戸初期犬張り子

東京都/中央区
文 / 川端正吾

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江戸の顔である犬張り子が、本来の面持ちで復活!

東京を代表する郷土玩具である犬張り子。全国的にも最もポピュラーで馴染みのある玩具の一つではないでしょうか。犬は多産でお産も軽いことから、安産や子供の無病息災を願う縁起物です。犬張り子のルーツは、以前、当連載で紹介させていただいた「犬筥」。室町時代あたりから宮中でのお産の際に使われた、守札や化粧道具を納めた犬型の張り子の箱です。現在の犬張り子は時を経てデフォルメされ、真ん丸の顔になっており、中には猫がモチーフだと勘違いしてしまう人もいるほど。しかし、江戸初期の頃は、もっと鼻面がグッと長く張り出した、犬らしいカタチをしていました。こうした初期の犬張り子は戦争などでほとんどが焼失してしまい、残念ながら現在は残っておらず、その姿は当時の浮世絵や、書物の挿絵に残されているのみでした。そんな犬張り子本来の姿を現代によみがえらせるべく、当時の資料を参考にして復刻したのが、今回ご紹介する「江戸初期犬張り子」です。まごうことなき、犬然とした面長な顔立ちは、現代では逆に新鮮。出産祝いの印象的な贈り物になることでしょう。
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復刻させたのは若き張り子職人、林史恵氏。上質な手漉きの和紙を使ってすべて手張りで作られる。写真上/復刻犬張り子 松葉模様10,500円。●はりこのはやしや/hayashike@almond.ocn.ne.jp
復刻させたのは若き張り子職人、林史恵氏。上質な手漉きの和紙を使ってすべて手張りで作られる。写真上/復刻犬張り子 松葉模様10,500円。●はりこのはやしや/hayashike@almond.ocn.ne.jp



掲載:BRUTUS#766 (2013年11月15日号)
値段・問い合わせ先などは、発売当時のものです。