マガジンワールド


みやげもんコレクション 175 中湯川人形

福島県/会津若松市
文 / 川端正吾

中湯川人形

こけしだけじゃない! 福島では珍しい、土人形の温泉みやげ。

会津若松市郊外にある東山温泉。かつては山形県の上山温泉、湯野浜温泉と並び、奥羽三楽郷と呼ばれた温泉郷です。伊達政宗や上杉景勝など、名だたる武将たちも歴戦の傷を癒やしたのだとか。この名湯のみやげもんとして人気なのが、「中湯川人形」と呼ばれる土人形。東北の温泉郷みやげといえば、“こけし”が真っ先に思い浮かびますし、福島でいえば、三春張り子をはじめとした張り子細工が盛んな土地柄です。そんな中、なぜ東山温泉の名物は、福島では珍しい土人形になったのか。それは、創始者である青柳守彦氏が浅草育ちで、今戸焼の工房が家の近所にあり、小さい頃から土人形の製作に親しんでいたから。氏が会津若松市の山奥に移り住み、製作し始めた人形が温泉みやげとして定着したのです。小ぶりで色鮮やかな人形が多くみやげもん向きですし、300種類以上もある豊富なバリエーションも収集家心をくすぐります。写真上は今年の干支“午”の「来らんしょ」と呼ばれる作品。会津の方言で「ようこそ、いらっしゃい」という意味で、玄関にちょこんと座り、新年の来客を迎えてくれます。
miyage_img1

写真大/来らんしょ(午)。各1,200円。写真上/約30年と比較的歴史の浅い玩具ながら、東山温泉の顔的な存在に。福助や招き猫、雛人形など多様な作品を製作する。●工房千想☎0242・28・1640。
写真大/来らんしょ(午)。各1,200円。写真上/約30年と比較的歴史の浅い玩具ながら、東山温泉の顔的な存在に。福助や招き猫、雛人形など多様な作品を製作する。●工房千想☎0242・28・1640。


掲載:BRUTUS#770 (2014年2月1日号)
値段・問い合わせ先などは、発売当時のものです。