マガジンワールド


みやげもんコレクション 188 白虎面

大阪府/柏原市
文 / 川端正吾

白虎面

失われていた白虎の張子面が期間限定で復活。

近代化の波とともに次第に消えゆく玩具たちの写生画を数多く残した絵師・川崎巨泉。大阪・堺出身の彼は、浮世絵師として活動したのち、新聞広告の図案や風俗絵を描いていましたが、明治30年代中頃から玩具の収集と写生に目覚め、「おもちゃ画家」となった人物です。以前、本誌特集でも作品の一部をご紹介しましたが、その画は、様々なアングルからの描写に加え、細かなディテールカットまで丹念に描かれており、さらには、画の脇には材質や寸法まで記録されており、まるで設計図のよう。実際、これらの画は、廃絶してしまった郷土玩具を復元させる際に使われる貴重な資料として、いまや欠かすことのできない存在になっています。

この京都山科毘沙門堂の白虎面は、そんな巨泉の玩具画をもとに、大阪張子製作元・峯商店が復元したもの。黄色の虎面は製作され続けていましたが、白虎面は、時代を経ていつの間にか忘れられていた存在でした。白虎面の画には、図柄とともに「実大、金銀」と、サイズや使われている色などについても記述されていたおかげで、往年の姿が見事に甦りました。

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復元された白虎面は、玩具画と虎張子をテーマにした企画展『とらやに、とらが、やってきた。』の会場にて限定販売。9月17日まで。3,000円。とらや東京ミッドタウン店ギャラリー☎03・5413・3541。



掲載:BRUTUS#783 (2014年8月1日号)
値段・問い合わせ先などは、発売当時のものです。