マガジンワールド


みやげもんコレクション 204 ふく笛

山口県/下関市
文 / 川端正吾

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あの“幻の土笛”が科学の力を借りてついに復活!

郷土を懐かしむムードが盛り上がり、各地で廃絶した郷土玩具が続々と復元される中、特に力の入った復元プロジェクトが行われたのが、この「ふく笛」。もともとは昭和10(1935)年に、下関の美術収集家・河村幸次郎氏が考案した玩具。ユーモラスなデザインが評判となり、下関を代表する玩具となりました。が、他の郷土玩具同様、時代の流れの中で廃絶してしまいます。その後、何人かの職人が復元に挑戦しましたが、なかなかうまく音が出ず、原型も残っていなかったために失敗が続き、「幻の土笛」となっていました。

そんな中、一昨年、下関市立美術館で、河村幸次郎氏の収集品を展示する企画展の開催に合わせて、ふく笛復元プロジェクトが立ち上がりました。このプロジェクトには、理工学系の大学教授も参加し、CTスキャンで古いふく笛の内部構造を細かに解析。約80年前に福岡県津屋崎の人形師、故・垣内敬一氏が作ったふく笛の復元に成功したのです。これが話題となり、ふく笛の製作を中断していた工房でも製作を再開。めでたく下関の土産物店にも、ふく笛が帰ってきたというわけです。

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写真大/下川商店製作のふく笛1,081円(税込み、下関土産品センター☎083・231・8816)。写真上/中之町の亀山八幡宮では、ふく笛をあしらった絵馬が授与されている。写真下/亀山八幡宮社殿。


 

掲載:BRUTUS#799 (2015年5月1日号)
値段・問い合わせ先などは、発売当時のものです。