マガジンワールド

みやげもんコレクション 208 初宮鈴

愛知県/名古屋市
文 / 川端正吾

初宮鈴

子供の健やかな成長を祈る、熱田の黄金犬。

神様に子供の誕生を奉告し、健やかな成長を祈る初宮詣。男の子は生後32日目、女の子は33日目にお参りをする習わしがあるほか、男女ともに100日目がいいとする地方もあるなど、地域差はさまざまにありますが、日本全国で広く行われている習俗です。

この初宮参りを代表する縁起物には、これまでにも何度かご紹介してきた「犬張り子」があります。犬の子は、丈夫でほとんど病気もせず、元気に育つことから、子供の健康を祈って生まれたもの。この初宮参りで、犬張り子を授与する習慣は、名古屋市の熱田神宮が発祥といわれています。

そんな熱田神宮で現在授与されているのが、こちらの「初宮鈴」。現在は、張り子ではなく、犬を象(かたど)った土鈴となっています。土鈴は、古くから祭祀の道具にも使われ、縁起物としても広く授与されています。特に熱田神宮では、神事にまつわるエトセトラがモチーフになったさまざまな土鈴が授与されており、厄除けの三ツ鈴や、神鈴、舞楽鈴が通年授与されているほか、お正月には、干支の土鈴も授与されています。

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写真上/初宮鈴800円。写真中/三ツ鈴500円。その他、5月1日の舞楽神事で奉奏される舞楽鈴などもある。写真下/熱田神宮本殿。そばの社務所にてさまざまなめでたい土鈴が授与されている。


 

掲載:BRUTUS#803 (2015年7月1日号)
値段・問い合わせ先などは、発売当時のものです。