マガジンワールド


みやげもんコレクション 221 猿チョロ

京都府/京都市
文 / 川端正吾

猿チョロ。4,800円(丹嘉☎075・561・1627)。

12年ぶりの登場となる伏見の猿チョロ。

人の顔が描かれた、全身が隠れるほどの大きな張り子のハリボテを着て、黒い大きな帽子を被り、割竹を持って滑稽な動きをして人々を楽しませる大道芸「チョロケン」。江戸後期から明治の初めの頃、京都や大阪などで大流行し、正月になるとチョロケンの一座が町を練り歩くのが風物詩となりました。「チョロが参じました。チョロを見る者には福来たる」と口上を述べながら、家々を回り、ご祝儀をもらい歩いたそうです。もともとは「長老君」、つまり「福禄寿」のことを指す名前が、なまって「チョロケン」となったのだとか。人の顔のほか、お福チョロ、徳吸チョロ、馬チョロ、など張り子のハリボテには、いくつかの派生系も存在しました。写真上は、その中の一つである猿チョロを象(かたど)った土人形です。

様々な土人形のルーツともいえる京都の伏見人形の猿チョロ。製作を手がける丹嘉では、申年を迎える時期になると、様々な猿の土人形の中に交じり、この猿チョロも店頭に並びます。ひときわ異彩を放つモチーフで、ファンも多く、12年に1度のこのチャンスを心待ちにしていた人も多いです。

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写真上/猿チョロ。4,800円(丹嘉☎075・561・1627)。写真中/寛延年間創業の丹嘉。全国にある土人形で、伏見人形の系統にないものはないといわれる。写真下/礼者猿などの作品が並ぶ陳列棚。


 

掲載:BRUTUS#816 (2016年2月1日号)
値段・問い合わせ先などは、発売当時のものです。