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みやげもんコレクション 231 方相氏土鈴

京都府/京都市
文 / 川端正吾

方相氏土鈴。800円(吉田神社☎075・771・3788)。

黄金色に輝く4つの目を持つ、悪鬼退散の鬼神。

黄金の4つの目を持つ恐ろしい顔をした鬼。目の数が普通の倍もあり、恐ろしさも倍増といったところですが、実はこの鬼は「方相氏(ほうそうし)」と呼ばれる悪鬼を退治してくれる鬼神です。毎年、2月2日の節分前夜に京都の吉田神社で行われる追儺式(ついなしき)に登場する方相氏をモチーフにした土鈴が、今回ご紹介する「方相氏土鈴」です。

追儺式は「鬼やらい」とも呼ばれ、平安時代初期から毎年宮中で行われてきた神事を、古式に則(のっと)った形で継承しています。まずは、大勢の参拝客であふれる境内に赤鬼、青鬼、黄鬼が現れ、人々を脅しながら練り歩きます。そこに、黄金の四つ目の面を被り、盾と矛を持った方相氏が、「侲子(しんし)」と呼ばれる小童を大勢従えて現れます。方相氏が大声を上げながら盾を3度打つと、悪鬼たちは逃げ回り、山の方へ追われます。最後は殿上人たちの桃弓から放たれる葦矢(あしや)によって、悪鬼は退散させられます。また、この吉田神社の大元宮は、“始まりの神”である虚無大元尊神と、そこから生まれる八百万(やおよろず)の神々が祀られる場所で、すべての神々を祀る社として知られます。

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写真上/方相氏土鈴。800円(吉田神社☎075・771・3788)。写真中/社務所では追儺式にて使用される面の写真も見ることができる。写真下/大元宮。節分祭の際は通常より近くで参拝ができる。


 

掲載:BRUTUS#826 (2016年7月1日号)
値段・問い合わせ先などは、発売当時のものです。