マガジンワールド


From Editors No. 163 フロム エディターズ

特集内容

RENOVATION & DIY HANDBOOK
リノベの天才、DIYの達人 2013

大好評だったリノベ特集が帰ってきました。

リノベの定義というと仰々しいですが、リノベーションは再生、再定義、再利用ととらえ方はさまざまです。ヨーロッパではこれに保存という役割がつきます。サステイナブルという文脈からもリノベは、いまの時代らしい考え方だと思います。

限られた制約の中でイメージを膨らませて、住空間をクリエイトする。今回はそんなスタイルサンプルを集めました。

リノベ成功の秘訣は洗練されたセンスです。デザイナーの小野塚さんは吉村順三設計の名建築を保存という見地から、ブルックリンのhOmEhは再利用をテーマに、そしてアーティストのピーター・シャイヤーさんは色彩の変化でリノベを完結させました。リノベはやっぱりとびきりの感性がものをいいます。

感覚的、建築的なサポートを知りたい人には「建築家で選ぶリノベーション」。それでも物足りないないなら、DIYですね。DIY天国、ポートランドのDIY精神をレポート、さらにはいますぐDIY可能なパーツ&ショップマニュアル「カーサ・ホームセンター」を用意しました。

どういう家に、どう暮らす? リノベーションの醍醐味が伝わる大特集です。


Editor’s Voice

マーク・ロスコのチャペルに秘められた謎。
現代を代表する塗師、赤木明登さんが古い日本家屋をリノベーションしてゲストハウスを作ったという。しかも梁と床、さらにお風呂にまで漆を塗ったのだとか! 漆を極めるとそんなところまで塗りたくなるのか…。実物を見たくて取材に伺った。

家の中に入ると、光の加減で、下に塗られた赤が透けて見えるラウンジの床、見上げるとぬらぬらとあやしく光る梁…中村好文さんが手がけた白くシンプルな空間で、漆が奇妙な違和感を放っている。

しかし、これで驚いている場合ではなかった。赤木さんはなんと、お風呂まで漆で塗ってしまったのだ。卵のように丸い漆のバスタブの、内側も外側も、おわんのようにきれいに黒い漆を塗って、まるで黒玉子のよう…。
「何度も失敗して、やっとうまくいったんです」

洗い場にも、同じように漆が塗ってある。そのインパクトに釘付けになっていると、赤木さんから、「足で触ってみてください」と言われ、おそるおそる触れてみるとつるつる、やわらかくて、足の裏がとても気持ちいい。
「お風呂も器ですから、皮膚感覚が大事です」
なるほど。目から鱗でした。

赤木さんと、ブルックリンのショップの内装を一手に手がけるhOmE、水槽の床を作った植物学者のパトリック・ブランは一般からの注文も受け付けているのだそうです。

特集担当編集/佐野香織
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2階ゲストルームの梁も漆塗り。
北欧の家具やオブジェがいい雰囲気です。

 

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洗い場の足下も漆で塗られています。
シャワーを浴びている間も気持ちいい!