マガジンワールド | クロワッサン - CROISSANT | あなたに伝えたい
世界一簡単な「魔法の水」、
だしの世界にふれてください。
久保香菜子さん くぼ・かなこ 料理研究家、茶道講師
京都造形芸術大学通信教育部と連携して、新しい学びのスタイルが東京で始まる。名づけて東京芸術学舎。美術、デザイン、文化・伝統、ライフスタイルという4つの学科で、100の講座が10月から開かれるという。その中で、「だし」をテーマにした講座を担当するのが久保香菜子さんだ。なぜ今、「だし」なのか。
「だしのひき方について、何℃で何分というように、薀蓄を語る方はたくさんいらっしゃいます。でも、一体どれが本当なのだろう、と皆さん迷っている。それを実学的、実証的に検証してみたいと思ったのです」
昆布だし一つとっても、味は、産地・等級で違う。温度でも違う、時間でも違う。水出しならどうなのか、直に火にかけたらどうなのか。山のように試飲するという。
「残念ながら、だしをひく人は一握りになってしまっているのが現実。ですが、これ以上ないくらい簡単なのが、日本のだし。いまフレンチの星付きのシェフが、だしに興味をもっているのは、肉や野菜からフォンをとることなく、10分の1の労力でおいしいものができるから。まるで『魔法の水』だ、と。私自身も、だしを洋風に用いています。たとえば、オリーブオイルで揚げた茄子を、揚げ浸しにするときに、醤油でなくアンチョビを加えるんです。だし=和風という発想からも自由でいい。何より、だしはこんなにおいしいということに気づいてほしいのです」
その力を知りさえすれば、だしをひく人も増えるはずと、久保さんは信じている。
「試飲と実習をしたら、血合いのある雑節のほうが好みだった、という発見もあるかもしれない。自分の好きな味を見つけ、自分が実践できるテクニックを覚えてください。日々の暮らしが、確実に豊かになるはずです」
学生登録して申し込めば誰でも受講できる。1講座は全5回で完結、1単位が取得できる。久保さんは他にも「和の鑑賞 茶・香・花の空間」も担当する。
問合せ先・東京芸術学舎
☎ 0120・530・920
http://gakusha.jp/