マガジンワールド


From Editors 編集部こぼれ話

「日本発ブランドを支える、緻密な技、端正な手仕事」の取材で感じたこと。

matohu(まとふ)、YAECA(ヤエカ)という今注目のブランドのモノ作りをのぞいてきました。そこで印象に残ったお話を。

みなさん、藍染めの服は色移りがしてたいへん、と思っていませんか?

取材に伺ったYAECAの藍染めをてがける青梅市「壺草苑(こそうえん)」の村田徳行さんによれば、本物の藍を用いて灰汁醗酵による染め(これが昔ながらの染め方)をした「天然藍」の表記を使っているものは、たとえ色移りしても洗濯をすれば元通りに戻ることがほとんどなのだとか。

YAECAではそんな天然藍の特徴を生かしたモノ作りを行っていて、線で書いたような細い藍のストライプを「壺草苑」に発注し、レギュラーシャツに仕立てたりしているのです。

日本の糸、染め、織りについて、matohuの堀畑裕之さんによると「こんなにいろんな種類の生地を作れる国は日本以外にない」とのこと。たとえばイタリアなどでは大規模な工場しか残っていないため、ひとつの生地を作るのに5000m²が発注単位だったりするそうです。

結果、あちこちのブランドが同じ生地を使うことになる。その点日本にはまだ小さくても志の高い職人さんがいて、いっしょにモノ作りができる。海外生活が長かった堀畑さんが帰国してブランドを始めた背景には、故国のモノ作り文化の下支えがあるのでしょう。日本のクリエーションはまだまだ進化していくのだ、と思わされた取材となりました。

「天然藍」を染める「壺草苑」の村田徳行さん。丁寧な職人仕事が絶妙な藍の発色を生み出す。
「天然藍」を染める「壺草苑」の村田徳行さん。丁寧な職人仕事が絶妙な藍の発色を生み出す。

matohuの堀畑裕之さんたちが共同開発に関わる文化・ファッションテキスタイル研究所。そこで織られる「色尽くし」は、21色を織り込んだ繊細な生地だ。(撮影・三東サイ)
matohuの堀畑裕之さんたちが共同開発に関わる文化・ファッションテキスタイル研究所。そこで織られる「色尽くし」は、21色を織り込んだ繊細な生地だ。(撮影・三東サイ)


(編集OY)