辰巳芳子の「いのちの食卓」野菜に習う。 | 51
「使いきれなかったハーブ類は、刻んでバターに練り込み、ロール型にまとめ、順次切ってゆくと、都合のよいものです」
教えてくださったのは、名料理人であった胸組泰夫さん。たしかに家庭でハーブを用いる場合、一束求めて、使いきることはまずない。残ったものは、日を追って香りを失う。
ハーブの新鮮さをバターで包み込み、冷蔵するなり、冷凍するなり、随時カットして用いるのは、古くて新しい方法と思う。。
油脂を用いる、当座の保存法では、肉類の食べ残りを、ラードのツボに突っ込むのを見たことがある。オリーブ油を用い、魚介、茸類を安定させる方法は、南欧のお得意わざ。
日本の食文化に、油脂を用いたものは皆無。その代わり、味噌・酒粕を用いたものは多くある。
胸組さんは、女系代々の料理人で、各国大使館の台所で成長された。それゆえの保存法かもしれない。それにつけても、あの天文学的料理記述は、どこにどうなっているか、もったいない至極。
たつみ・よしこ●家庭料理家、随筆家。新刊『食といのち』(文藝春秋)には、日本のスープとも呼ぶべき、かけがえのないお粥の、春夏秋冬の姿も掲載。
適宜切って、パスタの上にポンとのせればコクが出る。肉のソテーや魚のムニエルの熱々にのせるのもよい。
材料(作りやすい分量)
バター240g(1本120g)パセリ、タイム、バジル、イタリアンパセリ各適宜 レモン適宜
作り方
❶バターは、しばらく室温におき、練りやすくしてから用いる。❷ハーブ類を細かく刻む。ここでは、パセリとタイム、バジルとイタリアンパセリの組み合わせにしたが、好みでよい。❸①のバターに②のハーブとレモン汁を加え、練り混ぜる。❹巻き簾の上にパラフィン紙などを広げ、へらでハーブバターを四角く伸ばし広げる。それを巻き、両端をひねって冷蔵、あるいは冷凍保存する。
1.ハーブの組み合わせは好みで。新鮮なうちに刻んで作りたい。
3.よく練り合わせたら、パラフィン紙に平らに伸ばす。
2.家庭的に、ハーブの量はたっぷりと用いたい。
4.巻き簾で、端から巻いていく。両端はねじってとめる。
撮影・小林庸浩