ブログや書籍で乙女カルチャーを発信し続ける山崎まどかさん。「カワイイ」「ロマンティック」「それでいて大人の女性を感じさせる」といった乙女情報の収集にはwebがベストだそう。巡るのはもっぱら、日本未入荷の新鮮なネタが飛び交う海外サイト。日本にいながら世界の動向をチェックできるのはもちろん、世界的著名人と知り合いになれるなんてことも。「たとえば、お気に入りの雑誌が休刊しても編集長の名前でググれば今何をやっているかわかる。バッグデザイナーのOlympia Le-Tanがブログにコメントをくれたことも」
ここで紹介するのは、どれも乙女の琴線にキュンキュン触れてやまない、山崎さんのリアルブックマーク、いわばIT乙女手帖とも言うべきwebたち。話題のスタイルブログや超有名人が出演する本気でいてバカバカしすぎるコメディチャンネル、iPadでも読める乙女必見のインテリア雑誌など、そのバラエティの豊かさには驚かされるばかり。が、山崎さんからこんな指摘も。「でも電子書籍は、iPhoneにキンドルアプリを入れて読むと決めてます。iPad、乙女の手にはちょっと大きい気がするので」
インテリアを単にカタログ的に紹介するのではなく、インテリアコーディネートから「実用とファンタジーを兼ね備えたラブリーな感覚」や「真の大人可愛い文化」が見え隠れするのが大好きだったアメリカのインテリア雑誌『domino magazine』。ところが、2009年に突然の休刊。悲しみに暮れていた私の乙女心に突き刺さったのは、3冊のwebマガジン。dominoのセンスとデザインをしっかりと継承した、ポストdominoマガジンと呼ぶにふさわしい内容。しかも、3冊ともブログ形式ではなく、iPadで読める無料のデジタル雑誌。
きっかけは1人の大学生が偶然手に入れたフィルム。現像ししてみると、リアルなアメリカを切り取った美しいドキュメンタリーフォトが。撮影者を知るべく、自身のブログにアップしたところ、世界中の注目を集め、展示会を開催するまでに。そして、ついにその正体がわかる、それはシカゴ在住の家政婦、ヴィヴィアン・マイヤー。学生がさっそくマイヤーの元を訪ねてみると、なんとその数カ月前に彼女は亡くなっていた…という悲しくも謎に包まれたストーリーが。
fig. 05 Vivian Maier offical HP 絶妙の構図、日常のふとした一瞬。マイヤーの作品を毎月10枚弱ほど更新。家政婦として訪れた家や街の風景を撮りためていたよう。もっと早く世に出ていたら、世界的な写真家になっていたかも。海外の図書館って、デジタルライヴラリーをネット上で公開しているケースが多くて、デザインソースにしているファッションデザイナーも多いとか。古くて貴重な美術書を家にいながら堪能できるとあって、つい、時間を忘れて夢中に。膨大な情報量から、お目当ての情報にたどり着いたときの爽快感もまたよし。
fig. 10 ニューヨーク市立図書館デジタルライヴラリー 19世紀の靴を紹介しているブログを見てサイトをたどった結果、行き着いたのがここ。アーカイヴにある1930年代の靴はどれも、そのまま復刻してほしいと願うキュートなライン。
写真のクォリティの高さと目のつけどころのユニークさ、パッケージ化してリアルプロダクトとして読みたいという願望からか、海外の人気スタイルブログが続々と書籍化中。母親のスナップをアップするだけ、自分のコレクションを更新するだけ、というバカバカしくも斬新なテーマ設定が、普通の写真集とは一線を画します。
fig. 06 My Mom, the STYLE ICON 母親が写った過去のスナップをひたすら集めて解説とともにアップするブログ。結婚式、カウガール、コスチューム姿など、レトロなスタイルが今見ると新鮮。書籍化されたばかり。 fig. 07 A Collection a Day イラストレーター、リサ・コンドンが、コレクションを365日毎日アップ。合計365個紹介したブログ。プラスティックのスプーンや石ころを集めてしまうセンスが抜群にオシャレ。 fig. 08 smitten kitchen ニューヨークの狭いキッチン発。料理研究家が、調理過程とともに家庭料理を更新。食材がどれも楽しく美味しそうなのはプロのカメラマンである夫が撮影したから。来年書籍化予定。 fig. 09 TOMBOY style 男の子っぽいカッコの女の子を集めたTOMBOY style。メンズの定番物を取り入れたラフだけど可愛いコーディネートは、爽やかスタイルのお手本になる。来年春、書籍化予定。webは、情報を発信する人自身が楽しんで更新しているかが人気を左右するもの。動画サイトにアップされたおバカドキュメンタリーは、楽しみを超えて狂気すら感じるチャレンジ精神の固まり。自分が目指す表現に手間も暇も惜しまない、海外の動画メディアのおバカな姿勢に拍手を。

















