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第111回「妻に寄り添う『添活』を!」

ブスの瞳に恋してる♥ 妊活ダイアリー

イラスト・ヤマザキマリ
イラスト・ヤマザキマリ

第111回「妻に寄り添う『添活』を!」

僕は毎日ブログを書いています。ブログは毎回読者への投げかけで終わります。そこには沢山のコメントが寄せられます。妻が妊娠してからも、色んな気持ちをそこで書き、そしてそれに対して読者の方から色んな言葉をもらえました。

妊娠を発表してすぐ、ブログの読者の方からの質問でとても多かったのが「妊活のために何をしましたか?」という質問でした。妻に聞いてみると「沢山あるな~」と言いながらも「一番はバランスのいい食事かな!」でした。以前の妻からしたら考えられません。

暇さえあれば肉・肉・肉。おでこに「肉」と書くべきはキン肉マンではなく、妻なのではないかとさえ思っていたのに、そんな妻から出た言葉が「バランスのいい食事」。

たしかに、妻はあまり魚を食べるのが好きではなかったのですが、妊活に入って朝ご飯を作るようになってからは、魚を食べるようになりました。僕が不思議なのは、イッテQで、タランチュラ、蜘蛛を食ってたんですよ。タランチュラを、白子みたいで、うまい! って言ってた妻ですよ。なのに、魚が食えないってどういうことだ! と思うんですが。

でも、それは栃木の山の奥、海の魚とは遠い生活をしてきたせいなのかもしれません。魚をさわるのも苦手で、キッチンで魚を焼くと、焼いた後の掃除も面倒で、そこも魚を焼かなかった理由の一つ。ですが、ある時、魚を焼ける蓋付きの魚焼きフライパンのようなものを知って購入。これね、魚を乗せると、蓋のようなものも付いてて、カパっと被せて、匂いがあまり漏れないような構造になってるんです。掃除も簡単。それを購入したこともあり、魚を焼く機会が多くなり、魚も食べられるようになりました。

僕は便利なミキサーの存在を知ってから野菜をかなり取るようになりましたが、苦手なものを食べるようになるのって、ちょっとした調理器具を知ったりすることでだいぶ変わるんだなと思ってます。自分の生活スタイルに合った取り方を知ることが大事だなと。

魚だけじゃなく、野菜も前より食べるようになり、あらためて「バランスのいい食事は大事なんだな~」とキン肉マンは言ってました。

ブログの質問の中には「妊活休業を取ってプレッシャーになりませんでしたか?」的意見もありました。これね、周りにもいました。「私も妊活休業考えたんですけど、逆に、子作りのことだけがプレッシャーになっちゃうんじゃないかと思って」と。

このことを妻に聞いてみたら、「妊活休業を取ってすごく良かったことがある」と言いました。妻が声を大にして言ったこと。それは。

会いたくない人には会わない! 会いたい人にだけ会う!

これです。確かに。仕事してると、好きな人だけじゃないし、嫌いまでいかなくても、あんまり会いたくない人いますもんね。苦手な人も沢山いる。僕だっています。一個の会議行ったら、嫌いじゃなくても苦手だなと感じる人は一人はいますよね。そういう人と会うことによってね、小さなストレスって沢山溜まっていくんですよね。

妻は「会いたくない人に会わない生活をしただけで、こんだけストレス感じないんだ!」と言ってました。それだけに妊活休業を取れるように動いてくれたみなさんに、本当に感謝なんですけどね。

そして。ブログのコメントにお説教されたこともあります。ある日のブログに、僕が妻のつわりについて書いたことがあるんです。妻のつわりが軽くて良かった的なこと。そしたらね、

結構な数の人から、「旦那が奥さんのつわりを、軽いとか重いとかジャッジすべきじゃない」と説教されました。でも、そのお説教の言葉を見て、ハっとしました。確かにそうです。妻は自分で「軽い」とは言ってたけど、そのつわり自体を自分が経験してるわけじゃないですからね。男性の勃起がどんな感じなのかを一生懸命説明したって、それは伝わりません。

今、また「勃起」にたとえようとした自分を反省します。忘れてください。

とにかくね、その苦しみが分かるわけないんですよね。

皆さんのコメント見てたら、つわりの時期は、「がんばってとか言わないでほしい」「抱きしめてほしい」「共感してほしい」という言葉が多かった。そして、「寄り添っていてほしい」と。寄り添うことって簡単なようで難しい。人間って横にいると自分の意見を言いたくなる。

でも、そこに自分の意見はいらない。そっと寄り添う。妻が妊娠してつわりになっても、夫は何もすることが出来ない。その辛さを体験することは出来ない。だから寄り添う。

その皆さんの言葉を聞いてね、育活、妊活とかいろいろ言葉ありますが、旦那さんの「添活(そいかつ)」という言葉を作り、推奨していかなきゃいけないなと思ったんです。妊娠中の妻、出産後の妻に寄り添うように努力する「添活」。

ブログにコメントをくれた皆さんのおかげで気づけました。寄り添うことって難しい。寄り添うことは簡単そうで簡単じゃない。意識的にそっと寄り添ってあげる。だから、寄り添っていかなきゃいけない。奥さんとの距離を見計らって。

世の中の旦那さん。意識して「添活(そいかつ)」していきましょう。


 
今回の格言
寄り添うことって難しい。だからしていかなきゃいけない
妊活というと、栄養に気をつけたり、体調を整えたりというフィジカルな方向に行きがちですが、確かに! ストレスフリーは何よりも大切ですね。愛情あふれる結婚生活の実話は、単行本『ブスの瞳に恋してる』シリーズ(1~4)にも!



鈴木おさむ
放送作家。妻・大島美幸(森三中)の妊活休業から出産までを、詳細につづった単行本『妊活ダイアリー From ブス恋』が大人気。育休ならぬ、「父勉」(父になる勉強)中。既刊『ブスの瞳に恋してる』シリーズ1~4。