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ブスの瞳に恋してる♥ 第123回「毎日の料理は、仕事よりずっと大変!」

イラスト・ヤマザキマリ
イラスト・ヤマザキマリ


息子、笑福が生まれ、最初の一ヶ月は妻のお母さんがいてくれて、その一ヶ月はまだ僕の放送作家業を整理できてなかった。家に帰ると生まれたばかりの子供がいる。父親あるあるのようですが、自分の子供が産まれてきたという実感がなかなか湧きづらい。

オムツ替えは習って出来るようにはなるけど、そろそろ替えるぞとドキドキすると、妻かお母さんがやっている。沐浴は覚えて毎日やるものの、なかなかうまくならない。お母さんがやった方がやっぱりうまい。

そんな中、お母さんが実家に帰る直前から、これから本格的に仕事を減らして父勉に入ったら、自分は一体何をすればいいんだろう? と考えました。

そこで出した答えが、料理をしよう! でした。周りの話を聞いていると、ママ達は子供が生まれて、最初の数ヶ月、なかなか手があかず、自分のご飯は後回し。ふりかけや納豆でご飯食べる日が多いというママが多かった。妻の友達で、お菓子ばっかり食べてしのいでいたという人も。だから決めたんです。僕が家のご飯を作ると。僕は大学生時代に居酒屋の厨房でバイトしていたので、簡単な料理くらいは出来る。一人暮らし時代はたまに料理していましたが、結婚してからはほぼやらず。しかも、奥さんが超綺麗好きのため、僕がキッチンに立ったあと、自分なりに掃除をしても奥さんの合格点には至らず。そのことで奥さんのため息が大きくなり、イライラさせてしまっていたので、あまりキッチンに立たなくなりました。

だけど今回は状況が違う。妻のお母さんがいた時は毎日料理を作ってくれていたけど、お母さんがいなくなるとそれがすべてなくなる。お母さんが手伝ってくれている育児を妻一人でやるとなると、僕の分もふくめて料理を作るどころじゃなくなるなと思ったのです。

だから毎日、家の料理は全て僕が作ると決めました。それが自分が出来る一番の仕事じゃないかと。なので妻と話し合いました。僕が料理を作るから、キッチンの片づけだけはやってくれと。僕が片づけやっても納得いかないはずなので、そこだけは諦めてまず決めた。

最初は不安がっていた妻。でも、僕はやると決めたら結構やる男です。だってね、育児の為に仕事減らして、結果何もやることなかったら、ダメ男。ヒモですよ。だったらまだ働いてた方がまし! ってやつですよ。

最近、イクメンといわれてる人が増えてる中、結構雑誌の特集とかで見るのが奥さんの愚痴。「イクメンぶって実は何も役にたってない夫に腹が立つ」とか書いてあったの見て、「いやだ! こんな風に思われたくない」って本気で思ったのです。

子供を授かり、家にいて思うのですが、育児に関して言うと、実は旦那さんの出来ることって少ないと思うんです。まず男性は母乳をあげること出来ないですから。ミルクは作れます。ミルクをほしがる時間になると、ここが唯一の張り切りどころ。だけど、妻は途中から結構、母乳が出るようになりました。これは嬉しいことなのですが、ミルクの回数が減ってくるので、自分の張り切りどころはなくなってくるわけです。そうなると、自分が出来ることは家のこと。だから料理。

今、家の料理担当として料理を作り始めて3ヶ月以上がたち、はっきり声を大にして言いたいことがある。毎日家の料理を作ることはとてつもなく大変なことである。

一回作るとすぐまた次のご飯。家でたまに作ってた時とはわけが違う。買った食材を余らないよう、腐らないよう、上手に使いきる。なるべく同じメニューが来ないように、毎日毎日クックパッドとにらめっこ。いや、クックパッド最高! クックパッド様様!

料理を毎日家で作り始めてまず思ったことは味付けについて。味付けにバリエーションが出せる腕があれば、いいんですけど、パターンが似てしまう。魔法の調味料、めんつゆとオイスターソースにすぐに頼ってしまう自分がいる。朝のテレビを見ると料理コーナーとかよくやっていて、正直、テレビを作る人間なのに今までは料理を作るコーナーにまったく興味がわかなかった。が、今は違う。料理コーナーにすぐ目が行く。そのメニュー自体を作らなくても、テレビで「ここで、ナンプラーをちょっと入れます」とか言うと、「そうか! ナンプラーを入れる手があったか!」と味付けのヒントになる。いや~、テレビで料理コーナーを沢山やってる理由が分かった! と放送作家23年目にしてやっと気づける。ありがとー、テレビ! ビバ! テレビ!!

家で料理を沢山作るようになり、本当に、毎日家で料理を作ってくれる奥様の気持ちが身に染みて分かってまいりました。

そこで思う。全国の旦那様!

奥様の作った料理をもっと味わおう! スマホいじりながら食べるのはやめよう!

いつもあまり出てこないメニューが出てきた時には「うわ、なに、これ!?」とリアクションしよう。

おいしい、うまい、これ食べたかったんだ~! と言おう。食べた数時間後に「今日の御飯、うまかったな~」と言おう。

演じたっていい! 毎日演じていればいつしかそれがリアルになる!!

本当に思う。仕事してた時より大変だ!


 
今回の格言
人が作った食事には、大げさくらいでリアクションせよ。
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鈴木おさむ
すずき・おさむ/放送作家。妻・大島美幸(森三中)の 出産までをつづった『妊活ダイアリー From ブス恋』「ブス恋シリーズ1~4」が人気。初監督作(脚本も担当)となる映画『ラブ×ドック』は2018年全国ロードショー。