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ブスの瞳に恋してる♥ 第139回「家族旅行に刺激を!」

イラスト・ヤマザキマリ
イラスト・ヤマザキマリ


息子、笑福が1歳になった記念に、初めて家族旅行に出かけました。友達家族と一緒に。向かったのは軽井沢にある「おもちゃ王国」というところ。

園内には観覧車や、大人も子供も乗れるトーマスの電車、ハードすぎないアトラクションなどがあります。が、そのようなアトラクションよりも、ここのおもしろいところは、いくつもの建物があり、それがトミカの電車のプラレールばかり集めた建物だったり、シルバニアファミリーのおもちゃばかりを集めた建物、木のおもちゃばかりを集めた建物などなど、そのような「○○館」が沢山あるのです。そしてそこに入ると「おもちゃを見る」のではなく、それを使って自由に遊ぶことができる。巨大なプレイルームがかなり沢山あるといった感じでしょうか。正直、大人だけで行ったらテンション全く上がらないと思いますが。やはり子供を授かりすごいなと思うのは、子供と一緒にいると自分の目線ではなく子供の目線で物事を考えるようになるので、この「おもちゃ王国」は44歳のおじさん(僕)も笑福の目線で楽しむことが出来て、テンションマックス。妻も笑福と一緒に積み木で遊んだり、そこには確実に幸せな家族の姿がありました。

昼過ぎ、妻と息子が滑り台で一緒に遊んでいる時でした。それを微笑ましく見ている僕のスマホにマネージャーさんからメールが来ました。

妻がテレビ番組に出た時に僕の話をすると画面上に、僕の写真が出ます。視聴者にわかりやすくするためなのですが、あの写真一枚画面に載せるにしても本人にちゃんと許可がいるのです。ですから、妻が僕のことをテレビで喋り、写真を使いたい時は必ずスタッフさんからマネージャー経由で僕のところに連絡があります。メールを開くと「写真使用依頼」と書いてありました。いつものこと。妻と息子が滑り台で笑いながら遊ぶ光景を横目に、メールの本文を見ました。番組はお金持ちについて語る番組で、本文にはスタッフさんが丁寧に書いてくれてました。そのメールがこのようなもの。

『スタジオの部分におきまして、司会者が奥様である森三中の大島様に「大島さんのところもセレブリティーですよね?」「旦那さん(鈴木おさむ様)ががっぽり儲けているから」と振りましたところ、大島様が「いやいや、いつ本当何があるかわからないですよ」とコメントしている箇所で[手錠をかけられた風のジェスチャー]をしております。その時に鈴木おさむ様のお写真を出させていただきたくお願いいたします。』

その本文を読む。目の前には幸せそうな母と息子。そのギャップに思わず吹き出しそうになってしまいました。「スタジオでなんてこと言ってくれてるんだ」と。旦那が逮捕って! 縁起でもないこと言うんじゃないよと。

そしてその滑り台で息子と遊ぶ母に、そのメールを読ませました。すると「ごめん、おもしろいと思って言っちゃったんだよね」と。笑福は何のことかわからず笑ってました。確かにおもしろいし、断る理由もないので、OKしました。

その夜。おもちゃ王国のすぐ近くにあるホテルに宿泊。ビュッフェのメニューはもちろんのこと、子供に対するケアが完全にされている。ベッド一つにしても、まず低い。そしてベッドの頭の普通なら木で出来てるところも、子供が転んで頭を打ち付けても痛くないように加工されていたり。

子供と旅行することの楽しさとおもしろさを満喫している時でした。テレビをつけると驚きのニュースが。そうです。高知東生、覚醒剤で逮捕。

子供との旅行にはもっとも似合わないニュースが流れてきたので、テレビを消しました。

翌日も家族で軽井沢を満喫し、帰ってくると、またマネージャーからメールが。そこには、写真依頼をしてきた番組スタッフからのメールが来ていました。開くと、またもや丁寧な文章で書いてありました。

『先日のお写真の件ですが、世の中的にもいろいろとありますので、そのトーク自体をカットしようということになりました。申し訳ございません。』

結局、「逮捕のトーク」は「逮捕された人」によって連行されていってしまいました。スタッフさん、いろいろ気を遣わせてすいませんでした。

家族旅行、あー楽しかった。そして、妻よ。そんな旅行にピリっとした刺激をくれてありがとう。


 
今回の気づき
家族旅行の中にもちょっとした刺激があると忘れられないものになる。
妻の妊活休業から出産までの日々を、夫の立場で詳細につづった単行本『妊活ダイアリー From ブス恋』好評発売中。既刊『ブスの瞳に恋してる』シリーズ(1~4)も併せてお楽しみください。



鈴木おさむ
放送作家。テレビの放送作家業は1年間休業。ドラマの脚本や小説も数多く執筆。はじめての恋愛小説『美幸』(角川書店)が好評発売中。