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第90回「妊活で一度お休みする芸人・大島美幸へ」

ブスの瞳に恋してる
 
イラスト/ヤマザキマリ
イラスト/ヤマザキマリ
 
第90回「妊活で一度お休みする芸人・大島美幸へ」
この原稿を書いている現在、妻が妊活休業に入る、一週間前です。妊活のために一度、芸人活動を休業するわけですが、もしうまくいって赤ちゃんが出来たりしたら、僕はもう芸人に戻らないんじゃないかとか、そんなことまで思ってます。というか、そこまでの覚悟なんじゃないかと思ったり。
 
僕は芸人・大島美幸が大好きです。なので、本日は、一度お休みする芸人・大島美幸へのメッセージを書きたいと思います。
       
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芸人・大島美幸様。僕があなたを初めてテレビで見たのは、あなたが不良っぽい女とハンドバッグで殴りあっている番組でした。当時はまだ日本海という芸名でした。殴りあいながらも最後は哀しい顔をするあなたの顔を見て笑った記憶があります。
 
一番衝撃を受けたのは、「ガキの使いやあらへんで! !」という番組で、おっさんみたいな設定で、タオル一枚、肩にかけ、おっぱいまるだしでサウナに入ってきた映像が流れた時です。それまで、テレビで裸で笑いを取ろうとした女芸人さんは何人かいましたが、やはり女性っぽさが邪魔をして笑えたことはありませんでした。だけどあなたは違いました。あなたの体のフォルムはおじさんでした。僕は家で爆笑しました。凄い女芸人が出てきたなと思いました。
 
あなたの場合は、裸になっても、顔のどこかに照れがほんの数滴残っている。そこが好き。だからこそ笑えるんです。あの映像を見て、僕は「この芸人さんに会ってみたい」と思うようになりました。その後、出会って結婚するようになるわけです。
 
僕と出会ってからも主婦であることをフリに、体を張りまくってきましたね。僕はあなたの仕事の中でも特に好きなものがいくつかあります。
 
一つは、年始のテレビ東京の吉本の特番です。吉本の人気芸人が集まり、ゲームやトークをする企画。女芸人の皆さんは、頭にパンストをかぶり、ぬるぬるオイルがひいてある床を滑りながら競争するというのを必ずやってました。年が明けて、1月1日になり、僕が見る番組はこれでした。女芸人さんが10人くらい出場し、一人ずつパンストをかぶった顔を見せていきます。やはりどんな芸人さんよりもあなたのパンスト顔が一番でした。1月1日の初笑い。僕はテレビであの顔が出た瞬間、携帯で写真を撮影し、それをブログにアップする。僕の1月1日の行事でした。そしてパンストをかぶったまま、ぬるぬる床を転がりながら進んでいくんですが、かならずあなたのパンツが黒沢によって脱がされ、おしりが丸出しになったところでゴングが鳴り、スタジオのそこらじゅうからタオルが乱れ飛び、あなたのお尻を隠す。
 
あの瞬間、僕は大笑い。そして誇らしい。だってね、自分の奥さんが1月1日にテレビでパンストかぶって、おしり出して、怒られてるんですよ。そんな奥さんどこにいますか? あんな正月を迎えられることが誇らしかったです。
 
そして「イッテQ!」。イッテQのロケでは現場で様々な戦いがあるらしい。中でも、寒中水泳に行く前のあなたはかなり気合が入っていましたね。極寒の湖に入り、体が凍り、戻ってこられなくなって、「ダイバーー」と叫んだ瞬間。申し訳ないけど爆笑しました。正直ね、僕の中では心配してる自分もいますよ。だって、みいちゃんは冷え症でね、それを治すために漢方にも通ってる。そんな冷え症があんなに体冷やしていいわけないじゃない。だけど、芸人という職業に命を捧げてるわけだからね。そんな心配を脳から削除して笑います。そしてそんな姿を見てスタジオの内村さん達が笑ってるとまた誇らしくなる。
 
そんな芸人みいちゃんに一番冷や冷やさせられたこと。2013年のフジテレビ27時間テレビでね、深夜に女芸人のお風呂中継があったんだよね。カメラが中継した瞬間、みいちゃん、わざと湯船から立ち上がったよね。乳首が見えたかと思ったよ。僕は番組スタッフと見てたんだけどね、あの瞬間、ざわざわしてました。だけど、お風呂に入る前、風呂担当のスタッフが、フジテレビマークのニプレスを付けさせたらしくてね、だけど、色が生々しくてみんなには乳首に見えた。僕のツイッターにも「奥さん、やっちゃいましたね」と沢山書き込まれた。僕の近くにいたスタッフも「もし乳首だとしたら大変だ」ってね、ネットに瞬時に広がった画像をスマホで見つけて、僕の横でね、その写真を伸ばしに伸ばしてね、周りに叫んでたよ「ニプレスでしたーーー」って。みんな安堵の笑顔。すごいでしょ? 旦那の横でスタッフがみいちゃんのおっぱいの画像を出来る限り伸ばしてるんだよ。あの時はドキドキしたよ。
 
と、よく考えたら裸ネタばっかりだね(笑)。こんなに僕のことを笑わせてくれてありがとう。ドキドキさせてくれてありがとう。芸人・大島美幸は僕が一番大好きな芸人さんです。
 
もし子供が出来て、一緒に海外に行けるようになったりしたら、是非子供の前でバンジー飛ぶ姿とか見せてあげてほしいって気持ちはあるよ。そして子供に教育するんだ。「こんなお母さん格好いいだろ」ってね。
 
とりあえず。芸人・大島美幸様。お疲れさまでした。またいつか笑わせて貰える日を願って。


今回の格言
ドキドキさせてくれる女により愛しさを感じる
妊活休業に入る妻=芸人・大島美幸さんへのラブレター。こんなに夫を笑わせ、ドキドキさせてくれる妻なら、きっと格好いいお母さんになるでしょう。「ドキドキさせてくれる愛しい女の話」は単行本『ブスの瞳に恋してる』シリーズ(1~4)にも!



鈴木おさむ
放送作家。妻・大島美幸(森三中)の妊活休業から出産までを、詳細につづった単行本『妊活ダイアリー From ブス恋』が大人気。育休ならぬ、「父勉」(父になる勉強)中。既刊『ブスの瞳に恋してる』シリーズ1~4。