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第94回「子宮筋腫の手術は成功したけれど…」

ブスの瞳に恋してる
 
イラスト/ヤマザキマリ
イラスト/ヤマザキマリ
 
第94回「子宮筋腫の手術は成功したけれど…」
妻は子宮にできた6センチほどの子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)を、開腹手術でも腹腔鏡(ふくくうきょう)手術でもなく、日本で始まってまだ20年もたってない子宮動脈塞栓術(しきゅうどうみゃくそくせんじゅつ)=UAEという方法で子宮筋腫をやっつけてやると決めたのです。
 
当日、僕は仕事でタイに行っていました。凄く心配でしたが、妻のお母さんが立ち会ってくれることになりました。手術といっても15分ほどで終わると言われていました。その病院には入院施設はなく、近くのホテルを取り、そこに一泊だけ宿泊。
 
昼12時ごろ、妻は病院に入る前に、タイにいる僕に電話してきました。「今から行ってきまーす。すぐ終わるから大丈夫だよ」と言われました。手術して、処置して、夕方過ぎには戻ってくるだろうと、お母さんとは話していました。戻ってきたらお母さんが僕に電話をくれる手はず。
 
タイで仕事をしてた僕は、仕事をしながらお母さんからの電話を待っていたのですが、夕方過ぎても電話が来ない。日本時間夜8時になってもかかってこないので、さすがにお母さんに電話してしまいました。お母さんの所には、点滴と術後の処置で時間がかかってると連絡があったそうです。が、夜9時を過ぎても10時を過ぎても妻はホテルに帰って来ないので、タイで食事してても気が気じゃなく。手術が失敗して大変な惨事になってるんじゃないかとネガティブ妄想が広がります。
 
夜10時30分頃、妻がホテルに帰って来たとお母さんから連絡がありました。妻が電話に出ると麻酔が切れてなく、何を言ってるかわからない。だけど、とりあえず手術は成功し、無事生還。
 
翌日、妻と母が先生に詳しく手術の様子を聞きにいったらしいです。ちなみに余談ですが、妻と母は顔も体型もそっくり。お母さんも御飯をよく食べる。見ていて気持ちいい。そんな二人が親子そろって話を聞くと、思っていたより手術は大変だったそうです。
 
この手術は足の付け根の動脈を数ミリ切開して、そこから管を入れていくわけです。その管を子宮近くの、血管までたどり着かせて、その動脈に栓をすることによって、子宮筋腫に栄養がいかなくなり、筋腫は小さくなっていく。しかも切るわけでもないので、同じ場所の再発はない。
 
だけどね、動脈に管入れてと、一言で言いますが、めちゃくちゃ難しいと思うんですよ。先生は今まで1300人近くの人にこの手術をしてきたらしいのですが、はっきり言われたらしいです。「今までで一番難しかった」と。妻と母は「なぜ、そんなに難しかったんですか?」と聞くと、先生は言ったそうです。「肥満が原因です」
 
その一言を言われた時に、妻よりもお母さんが恥ずかしくなったそうです。
 
なぜ、肥満であることで難しいのか? 肥満だと動脈とかも圧迫されていて、管がなかなか入っていかないらしい。確かにそうですよね。太ったお肉と脂肪で、血管、ギューギューですもんね。だから15分で終わる手術が1時間もかかった。
 
手術中の麻酔は部分麻酔だそうです。だけど、太ってる人って、麻酔の量も増えるんですよ。部分麻酔とはいえ、意識は朦朧(もうろう)として、妻は手術中のことは覚えてないらしいです。
 
ただ、太っているせいか、痛かったらしく、先生曰く、手術中に「お願いだから一回立たせてください。お願いします。一回立たせて」としつこく言ってきたらしい。動脈に管を入れてるんだから立っていいわけがなく、先生と看護師さんがなだめるのがかなり大変だったとか。やっぱり、それ聞いて思います。太ってて得することってないね。
 
手術の翌日、足の付け根を数ミリとはいえ切開してるのと、子宮の近くの動脈に血が通わないようにしてるので、足の痛みと子宮の違和感で軽いズキズキ感はあったらしいです。
 
手術の三日後、僕は家に帰って来てたのですが、寝てたら妻がお腹にかなりの痛みを覚えて、尋常じゃない脂汗だったので、朝起きて病院に直行しました。どうやら痛み止めが強くて、それが胃に痛みを起こしたのではないかと言われました。あらためて、手術をする、体の中をいじるってすごいことなんだなと。
 
手術してから1週間ほどは、妻はあまり動けませんでした。ゆっくりすることを心がけていた。その姿を見て、妊活休業を取っていなかったら、仕事のこととか気になってたと思います。妊活休業というのは、子供を作る前に、体のメンテナンスのためにも必要なんだと痛感したわけです。
 
手術から1か月経ち、妻は検診に行きました。その結果、なんと1か月で、子宮筋腫は69%のサイズにまで縮小したそうです。すごいね。
 
これで妻の最初の体のメンテナンス終了。


今回の格言
妊活休業とはあらためて、体のメンテナンスのためでもある
自分で探した子宮動脈塞栓術で子宮筋腫を69%まで縮小させた大島さんはすごい! ただ、そこには太っていることによる手術の大変さもあったようで……。こんな「太っていることの意外な影響」は単行本『ブスの瞳に恋してる』シリーズ(1~4)にも!



鈴木おさむ
放送作家。妻・大島美幸(森三中)の妊活休業から出産までを、詳細につづった単行本『妊活ダイアリー From ブス恋』が大人気。育休ならぬ、「父勉」(父になる勉強)中。既刊『ブスの瞳に恋してる』シリーズ1~4。