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捨てる、手放す、身軽になる、ライフスタイルを刷新しよう!

『シンプルを極める』vs.『もたない男』

 

 新緑が芽吹き、つぼみは膨らみ、サナギも羽化までカウントダウン。自然界の生命力がみなぎるこの季節には、人間の遺伝子だって自分を更新&刷新したいとソワソワ色めき立つもの。手っとり早いのは断捨離モードで進める心身デトックスだ。
 ヨーロッパで話題の『シンプルを極める』。日本在住30年のフランス人著者が、近くて遠い噦禅器をベースにシンプルライフを実現する方法をアドバイス。外国人のフィルターを通しての逆輸入となるが、簡素をよしとする日本文化の美学をあらためて再認識することで、贅肉だらけのライフスタイルに喝!
 健全な向上心を耕す前出の良書が「よいおクスリ」なら『もたない男』は「毒」風味。物欲は人並みにあるが所有欲はまったくないという著者の、強迫行為ギリギリの豪快な捨てっぷりに唖然呆然。心の豊かさとかエコとか物欲から自由になるといった、シンプルライフ系お得意のフレーズとはまったく無縁なところも新鮮。中途半端な所有欲に支配され、だぶついている我が身に気合を入れたい人、ショック療法としてぜひご一読を。

立派な理屈も精神論もなし、
問答無用で「捨て力」アップ。

口癖は「なんか捨てるものないか」。少しでも無駄なものが身の回りにあるだけで落ち着かない、「スッキリ病」を自認する漫画家の、捨て続ける日々。ボールペンはインクが減ったぶん本体を削り、本は読み終わったそばからページを破る、2個ひと組で売っているものは開封したらひとつ捨てる。フリル、盛り髪、パーマが許せない……。モノに対する価値観が揺らぐ、衝撃の一冊。中崎タツヤ著(飛鳥新社/1345円)

禅ベース、フランス仕立ての
「断捨離」促進マニュアル。

ヨーロッパでベストセラーとなった前著『シンプルに生きる』の上級編。実践テクニックも充実しているが、「捨てるということは、最も効果的な療法であると同時に、哲学でもありアートでもあります」と序文にあるように、さらに精神的成長を促す内容に。禅や作家、芸術家のシンプルライフにまつわる印象的なフレーズも織り込まれている。ドミニック・ローホー著 原秋子訳(幻冬舎/1050円)

人気作家の日常

『発光地帯』

「世界なんかわたしとあなたでやめればいい」、「風は光ったりしない」、「さよならの機能」など、イメージが広がる詩的なタイトルの数々。まるで作家の鼻歌、ひとり言、つぶやきをそっと盗み聞きしているようなドキドキ感があるエッセイ。川上未映子著(中央公論社/1260円)

『スピンク日記』

「私はスピンクといいます。犬です。小説家の主人・ポチと一緒に暮らしています」。プードル犬スピンクの視点から語られる町田家の楽しい日常。コミカルなエピソードに笑い転げ、キュートな写真に胸をイヌかれ、ハッピー気分に満たされる。町田康著(講談社/1470円)

文/片岡まりこ