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第23回 新しい年の幕開け(2010.1.20)


このところ胃袋が年齢を知らせてくれることが多くなってきました。
複雑にスパイスがからみあった中華料理を食べたとき、こってりと煮込まれた南伊料理を食べたとき、夜中に胃袋が「ああ、もうよしておくれよ……」とつぶやくのが聞こえるのです。
「おまえさん、あたしゃもうこんな珍しい料理をいただくのはカンベンだよ」と。

脳みそのほうはまだまだ元気で、以前と変わりなく、目においしそうなもの、食べたことのない味を求めて店を選び、テーブルにつくわけですが、その後を受け持つ胃袋のほうにはもうすっかりその気が失せちゃってる。どうも調子があがらない。「なんの変哲もない煮物とかおひたしとかのほうが相性いいのよ、あたし」そんなかんじ。

これはいわゆる「年」ですね。
あの世がひたひたと近づいている。
それもそんなに悲しいかんじではなく。
なにをするにしても、「大人になったらわかるよ」と言われていたことのひとつひとつが身にしみてくるという、平等な事象。いまはまだ、脳みそが自覚するには早いけれども、それをまずは胃袋がお知らせしてくれてるような。「ピンポーン、あなた次の時代に入りますよ」。

新しい年の幕開けのようです。


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