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第10回 我が心の昭和歌謡


コロポックルの小屋

koropokkur

クウネル編集部の塚越です。人より多少サイズが小さいため、コロポックル系に属しています。目線も若干低いので、世界が広く見えて仕方ありません。ここでは、そんな重心低めな目線で見た毎日をお伝えしたいと思います。

 

第10回
我が心の昭和歌謡

桜が満開になった4月の頭、気心しれたメンバーが会した家飲みの席。ひとりが酒の肴にと、80年代の映像満載のDVDを持って来てくれました。画面に映し出されるのは『夜のヒットスタジオ』、『レッツゴーヤング』などなどの、綺羅、星のごとく輝いた歌番組の録画映像です。

「キョンキョン真似て髪切ったわ~」
「たいがいの男子は菊地桃子が好きだったよね」
「モニカの次の曲がいいのよ、晃司は」
「この頃のみぽりん、黒すぎないか?」

甘酸っぱい思い出やらなんやらを好き勝手に口にする酔っ払いたち。中でも熱いディベートが繰り広げられたのが、『赤いスイートピー』です。

「半年経っても手も握らないって。この男子、どれだけ草食なのよ」
「いやいや、触れずして、ついて行きたいと言わしめるとは大したもんだ。まさにノータッチエースだ!」
「しかも、煙草の匂いのシャツを嗅がせるあたり、本能に訴える“すりこみ”に違いない」
「こいつはやり手だ、これこそ男の本懐だ!」
どうでもいい結論を得て、会は益々盛り上がるのでした。あぁ、酔っ払いの底力よ……。

曲もさることながら、歌詞が秀逸だった80年代歌謡曲。10代の頃には素通りしていた男女の心の機微や人生訓に気づいたり。つかの間の青春プレイバック、変な癖になりそうです。