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第19回 遠足、たのし。


コロポックルの小屋

koropokkur

クウネル編集部の塚越です。人より多少サイズが小さいため、コロポックル系に属しています。目線も若干低いので、世界が広く見えて仕方ありません。ここでは、そんな重心低めな目線で見た毎日をお伝えしたいと思います。

 

第19回
遠足、たのし。

気持ちよく晴れ渡った去る日曜日。
低山を愛するメンバーとともに、
山登りに行って参りました。

目指すは丹沢、烏尾山。標高1136m。
山への玄関口となる最寄り駅には、
朝も早くから大勢の登山客が集まっておりました。
その中に意気揚々と現れたるメンバー4名。
全員40歳以上という、かなり熟された年齢層。
しかし、しかし。
昨今の山ガールブームに乗っかって、
装着するのはピンクのヤッケに紫のリュック。
山スカートなんて色とりどりのレインボーカラーです。

「後ろから見れば20代!」
「そういう◯◯さんこそ、4×歳なんて全然見えない!」
「私が男なら、間違えてナンパしちゃうかも!」

なんの励まし合いでしょう。
ひとしきりお互いの山ファッションに賛辞を送り、
テンションもマックスになったところでいよいよ登山開始です。

いやあ、これがキツかった。
急な登りが2時間以上、なだらかな道なんかありません。
鼻歌なんか歌えません、景色を眺める余裕もありません。
ひーひー、ひーひー言いながら、ひたすらに足元だけ見つめて登ります。

休憩の時に口にするチョコレートのおいしかったこと!
いつもなら漫然といくつも食べてしまうのに、
山の上だとたったひとつで、心底満足できるのです。
ありがとう、キットカット。

そして足元にひっそり咲く野花の愛らしいこと。
白い可憐な花びらのシラヤマギク、
上品な佇まいのリンドウの花。
アザミも今が盛りと、あちこちに。
そのアザミよりもふたまわりほど大きいフジアザミという花も
今回初めて覚えることができました。
太り過ぎのアザミちゃん。

道中、そんな小さなものたちに励まされ、
ようやく登頂を果たした我々。
登山前のはしゃぎっぷりが嘘のように、
その顔は明らかに老けていました。

無事に下山し生ビールで乾杯する頃には
顔も実年齢程度に回復し、
痛む足をさすりながら帰路についたのでした。

いくつになっても遠足は楽しいものですね。