マガジンワールド


第30回 人間ドック協奏曲


コロポックルの小屋

koropokkur

クウネル編集部の塚越です。人より多少サイズが小さいため、コロポックル系に属しています。目線も若干低いので、世界が広く見えて仕方ありません。ここでは、そんな重心低めな目線で見た毎日をお伝えしたいと思います。

 

第30回
人間ドック協奏曲

この8月にまたひとつ年を重ね、つきましては健康にも多少の不安があるということで、行ってまいりました『人間ドック』。

ただ自宅から近いというだけで選んだ大学病院。これがなかなかにキレイで気分が上がります。専用受付では、眉毛のきれいなお姉さんが花瓶のひまわり越しに笑顔で対応。案内された更衣室も好感のもてる清潔さで、ちょっとしたエステサロンにでも来た気分なのであります。

順調に身長、体重を計測し、血液もスイスイと抜かれ、超音波も心電図も難なくクリア。聴力検査も肺活量測定もがんばりましたよ、ええ、がんばりました。雲行きが怪しくなったのは胃部レントゲンからでございます。経験者の方はご存知の通り、大変アクロバティックな診察です。診察台にしがみついて横向きになったと思ったら逆さ吊り。

「右向いて、ちょっと戻して、ああ、いきすぎた。はい、そこで息止めて〜」。

検査技師の方の指示もいかにも挑戦的です。それを聞き漏らすまいと集中すると、己の姿がどんなことになっているか気づかない。診察着がめくれて、腹芸でも披露するのかというほど、お腹が丸見えになっていることも、飲んだバリウムの残りで口がオバQ状態になっていることも、髪の毛がメドゥーサの如く四方八方に乱れ飛んでいることも……。その挙句に、こみ上げるゲップを我慢しています。我慢するので、時折、頬がふぐのように膨れます。

もはや戦いです。レントゲン室を出る頃には、完全なる落ち武者の形相です。

その後の視力検査では、コンタクトを外された途端に何も識別できなくなり(超がつく近眼なので)、看護師さんの唇を奪わんほどの至近距離で指示を仰いで嫌がられたり、マンモグラフィーの痛みに耐えかねて「これって、贅肉のせいですか!? わたしが太ってるから痛いんですか!?」と詰め寄って呆れられたり、問診の担当医に「運動は何かしてます?」と聞かれ「週1回フラを踊ってます」と自信満々に答えて「それは娯楽ですね」と鼻で笑われたりいたしました。きびしいかな、人間ドック。

検査結果はいまだ来ず。この勝負、勝ったのか、負けたのか。勝どきを上げる日を心待ちにする今日この頃です。