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ごあいさつ 2014年5月20日 From Editors

 

ごあいさつ
2014年5月20日 From Editors

風薫る5月も半ばを過ぎて、
ひと雨ごとに樹々の緑が濃さを増してきました。
朝日のまぶしさで目を覚まし、
ベランダにでてみると、
レモンと蜜柑の鉢に異変が。
昨日まで豊かに繁っていた葉が、
あっちこっち、穴ぼこだらけになっていました。
犯人はちいさな毛虫です。
食べ尽くされ丸裸になる前に発見できてよかった。
でも彼らにとって柔らかい新芽は
たいそうなごちそうなのでしょうね。
そりゃそうだろうなぁ、と
春キャベツのサラダをもりもり食べながら、
思いをはせた朝ごはんのひとときでした。

今号のクウネルは「料理上手の台所」。
これまでにも本誌そして「クウネルの本」にて
続けてきた台所訪問の特集です。
3年ぶりとなる今回も、ずらり登場するのは
使いやすさを考え、工夫をこらした台所で
日々おいしい料理を作り続けている方々です。
料理家の瀬尾幸子さん、
料理研究家の按田優子さん、
イラストレーターの山本祐布子さん、
デザイナーの井出恭子さん、
画家の牧野伊三夫さんや美術家の森村泰昌さん、
スタイリストの伊藤まさこさんと母・靖子さんなどなど。
何も出さずにすっきりと片付けている人、
トンカンしながら勝手良く作り替える人。
引き出しのなか、棚の上、
細かなところにあらわれでる個性は
じつにさまざまで、
人の数だけ台所の哲学がある、と
あらためて感じる取材となりました。

フードコーディネーターの長尾智子さんが訪ねたのは
富山に暮らす、とある女の子のお宅です。
その生活と仕事を通して考えた、
始末よく、心地よく、そして自分らしくあるための
暮らしのさじ加減について、文章を寄せてくださいました。

クウネルお勝手探検隊は、
日本を飛び出してフィンランドにも向かいました。
建築家のアルヴァ・アアルトの妻である
アイノ・アアルトが作った台所や、
人々のふだんの食卓もしかと拝見してきましたので、
こちらもどうぞお楽しみに。

そして、いよいよ近づいてきたブラジルワールドカップ。
この国最大の都市、サンパウロのすみっこで、
サッカー選手を目指してボールを追いかけ続けている
女の子にも会いにいってきました。
もちろん日本代表の活躍にも期待ですが、
テレビのサッカー中継を観ながら、
サンバのリズムあふれるブラジルの空の下に、
彼女のような夢見るサッカー少女がいること、
ふと思い出してもらえたらうれしいです。

2014年5月20日

戸田 史