マガジンワールド


第68回 マドロス陽一の写真便り その18 島でも写真でもなく、今日はカレーの話がしたい。 「大盛り、そしてトッピング」


madros-parts
僕はカメラマンのマドロス陽一こと長野陽一と申します。この度、5冊目の新刊『長野陽一の美味しいポートレイト』(HeHe) という料理の写真集を出版します。その中にはku:nelで撮り続けてきた料理写真もたくさん掲載されています。それらは美味しさだけではなく、料理を通して取材対象者の暮らしやストーリーを伝える写真たちです。島々のポートレイトを撮るように料理も撮り続けてきました。そして料理写真はポートレイトだと考えました。それを“美味しいポートレイト”と名付けます。ここでは旅した島で見たこと感じたことや、写真の話をしたいと思っています。

http://yoichinagano.com/

 

第68回
マドロス陽一の写真便りその18
島でも写真でもなく、今日はカレーの話がしたい。
「大盛り、そしてトッピング」

あるときライターの大谷道子さん(ku:nelでもおなじみ)が「終わったら、どこのカレーにしようかなっ(今日は神保町)」とTwitterでつぶやいているのを見つけ、すかさず「ボンディ、おすすめです」と返信した。道子さんのツイートを見たフォロワーは各々、お気に入りのカレーのリプライを送ったようだが、道子さんはボンディに行ってくれ、心からうれしかった。
神保町は言わずと知れたカレーの街。ボンディ以外にもマンダラやエチオピアなど人気店や名物カレーがたくさんある。グルメガイドは書けませんが、僕がよく行く欧風カレー店、ボンディでのことを書きたい。

僕が所属しているスカンク兄弟というバンドのメンバー(第19回 おもかじいっぱい、改めおもかじさんばい ぼくらの猛烈!ワールドカップ体験記を参照)で、練習が終わってよく行くカレー屋さん、それがボンディだ。特にお目当てのカレーを決めず、チキン、野菜、あさりなど、その時の気分で選ぶ。どれを注文しても美味しいからついつい来てしまう。いつも決まって腹ぺこ(夜9時半ラストオーダー)でいつも「大盛りにしてください」と注文し、僕を含め40を過ぎたメンバー全員に「え?!」という顔をされる。なぜならボンディのカレーの量は極めて程よく、さらにカレーの前に別添えのお皿に茹でたてのイモが2つと四角いバターが先に出される。ホクホクと湯気があがっているうちにバターをつけ、カレーを待つ間にイモを食べるわけだから、それをわかっていながら大盛りを注文するのか! お前、大丈夫か!? という意味なのだと思う(ちなみにカレーの前にイモをふたつとも食べないほうがよい。本題のカレーの前にお腹いっぱいになってしまいます)。おまけにチーズもトッピングしてさらにメンバーに驚かれる。ボンディではカレーとライスが別に添えられていて、ライスにうっすらチーズが乗せられているから、チーズは十分だろうとあきれられる。

僕は大食漢ではないが、ボンディでは食べ過ぎだとわかっていながら大盛りを頼みさらにチーズまでトッピングしてしまう。その理由を考えてみた。もちろんお腹を満たすことが一番の目的なのだが、やはりカレーだからだと思う。お店でカレーを食べるとき、ちょっとしたサラダはあっても他におかずがなく、それ故にルゥを食べきってしまった時に感じる一種の名残惜しさをカレーに感じているのだ(カレーに限らず、ワンプレートの料理は食べ終わってしまった時に少しさみしい)。出来るだけ長く食べていたいという思いから大盛りと口にしてしまうのだろう。おまけにトッピングと、欲が出てしまうのはカレーを愛しているからだ。
カレーを頼み、イモを先に食べるのを1個だけに我慢する。大盛りで頼んだライスとルゥの配分を考えながら食べる。本当に幸せだ。しかしそこに誤算が生じる。カレーにトッピングされたチーズの下にはまだルゥがあると思い込んでいたら、チーズしか残っていなく、最後はチーズでライスを食べる羽目になってしまう(それが最後でなくてもチーズでライスを食べている時間帯がある)。それを何度か繰り返してもボンディでは大盛りとなによりチーズのトッピングをやめられない。



ボンディの別添えのイモ。大谷道子さん撮影。
ボンディの別添えのイモ。大谷道子さん撮影。

平成27年5月20日
マドロス陽一

おしらせ
5月24日に福岡の能古島にて3年ぶりに「ノコノコロック’15〜アナタに酔いしれて篇〜」を開催します。
スカンク兄弟も出演します。カレー愛を唱った「カレーの国」聴いてほしいです。
料理家の高山なおみさん、ノコニコカフェ、チームカレーが「南の島カレー」を作ります。
詳しくはhttp://noconocorock.com
またはhttps://www.facebook.com/noconocorock
九州のみなさま、全国のみなさま、南の島の小さなお祭りに是非お越し下さい!