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第21回 指の色


ペリカン戸田の遠い夜明け

ペリカン戸田の遠い夜明け sun
クウネル編集部の戸田史です。「いちおう最年少ですが、三十路半ばです」と自己紹介し続けて幾歳月。三十路半ばずいぶん前に卒業したけれど、最年少編集部員からはなかなか卒業できません。ここでは、編集部で(主に)夜な夜な起こる、ヘンな出来事やちょっといい話などをご紹介していきたいと思います。
 

第21回
指の色

夏の夜、咲くのを心待ちにしていた『夜香木(ヤコウボク)』(『夜来香(イエライシャン)』)が、いまごろになって開花しています。昨夜、原稿書きを終えて帰宅し、何気なく窓の外に目をやると、暗闇のなか、小さな白い花がちらほらと! 夜だけ香る花なので、あわててベランダに出てにおいをかいでみる。うーん、上品ないい香り。と、うっとりするもつかの間、吹きすさぶ風に身震い。くしゃみもではじめて、すごすごと部屋に引き返しました。ああ、夏ならもっと堪能できるのに。

それにしても、もう12月だというのにどうなっているのでしょうね。ラズベリーも11月に結実したし…。腹鼓編集長にこの話をしたら、「アナタ、(植物を上手に育てる)みどりの指じゃなくて、むらさきの指かなんか、持っているんじゃないの?」だって。ヒドいわ……。