マガジンワールド


From Editors No. 12 フロム エディターズ 1

From Editors 1

髙橋郁代さんがくれた、贈り物。

早いもので『アンド プレミアム』が新装刊して、そろそろ1年が経とうとしています(いつも応援ありがとうございます)。今回は、少しだけ時計の針を巻き戻して、創刊準備の頃の話を書かせて頂けたらと思います。

昨年8月の終わり。仮の編集部に集まった僕らの最初の仕事は、まず雑誌名や媒体のコンセプトを考えることでした。喧々諤々、それぞれに意見を言い合い悩み抜いた末に生まれたのが、表紙のロゴの下にある“THE GUIDE TO A BETTER LIFE”というキャッチフレーズであり、『アンド プレミアム』という誌名でした。ライフスタイルのさまざまなシーンに、自分にとっての“上質”を足していく。日常が素敵な人がカッコいい! そんなステイトメントを持った雑誌を作っていこうと話し合ったのを、昨日のことのようによく覚えています。

そして、実際の誌面作りがスタートして、いちばん最初に生まれたのが、毎号1ページ目を花の紹介からはじめるという企画でした。ハレではなくケ。日々、季節の花を楽しむという行為に、“THE GUIDE TO A BETTER LIFE”という僕らのメッセージの一端を託したいと思いました。そして、この企画を具現化するにあたり、真っ先に頭に思い浮かんだのが、青山にある花屋〈ル・ベスベ〉の髙橋郁代さんでした。

連載の相談に訪れた際、「せっかくだから新しいこと、やらなくちゃね!」と快諾してくださったときの笑顔が今でも忘れられません。すべての花を等しく愛し、花に無知だった僕らにその魅力や向き合い方を真摯に教えてくれた髙橋さん。花に対してそうであるように、人に対してもつねに平等で、面白いと思えば、誰の話であっても真剣に耳を傾けてくださる方でした。

思えば、雑誌も花と同じように多様性の産物であり、それらを束ねてひとつの世界観、すなわち本を作ります。髙橋さんが作られた花のように、日常に笑顔を添えられるような誌面を目指したい。いま改めて、そう思います。

(本誌編集部 柴田隆寛)

※髙橋郁代さんは、2014年9月23日に急逝されました。
 編集部一同、心よりご冥福をお祈りいたします。