マガジンワールド

From Editors No. 15 フロム エディターズ 1

From Editors 1

本屋という場所が作る、偶然の出合い。

「本が好き」じゃなくて「本屋が好き」というタイトルの特集です。つまりブックガイドでなく、ブックストアガイド。もちろん、本も本屋も両方好き、という人はいる。でも「本好きというほど読んではないけど、本屋に行くのは好きだな」という人もいますよね。

この特集にも出ていただいた嶋浩一郎さんの「なぜ本屋に行くとアイデアが生まれるのか」という著書には、「本屋の歩き方5か条」の1として「本屋に行くのに目的はいらない」とあります。本という「もの」を目で見て、手に取り、ひょっとしたらその気配や匂いまで自然と感じたり。検索ではなく偶然によって、ある1冊と出合ったり。書店の棚作りやポップで、知らずのうちに新しい書き手に誘導されたり。そもそも何も考えずに、ただボーっと頭を空にして棚を眺めたり。本屋は、人それぞれ自由に楽しめる場所。行く目的があっても無くても、そこ自体が魅力ある場所かもしれません。

『&Premium』も紙の雑誌です。そのちょっとした手触りに始まり、単なるテキストと写真データの集積ではない「何か」がふと目に止まり、届けば、というつくりを目指しています。だから、街の本屋で偶然、誰かが手に取る姿を見れば、やっぱり嬉しいものですし(本当に!)、この文章を読んでいただいている方の中にも、以前に本屋で偶然、手に取ってくれたという方もいることでしょう。

この特集で紹介した本屋は特に、そんないろいろな偶然が日々、起きていそうな店ばかり。この号をきっかけに出かけてみてください。皆それだけでも楽しい店だし、もしかしたらまた予期しない出合いが待っているかもしれませんよ。

(本誌編集部 渡辺泰介)
 
特集では台北の本屋も取材。「誠品書店 信義店」は日本の雑誌も充実、『&Premium』も積まれてます。
特集では台北の本屋も取材。「誠品書店 信義店」は日本の雑誌も充実、『&Premium』も積まれてます。


アンド プレミアム No. 15

本屋が好き。

744円 — 2015.01.20
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アンド プレミアム No. 15 —『本屋が好き。』

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