マガジンワールド

From Editors No. 20 フロム エディターズ 1

From Editors 1

『&Premium』20冊目は、パン再び。
本誌がスタートして3号目、昨年1月にお送りしたのが「おいしいパン」というタイトルそのまんまの特集。「パン党か、ごはん派か、まぁおいしければどちらもOK」と、まずはともかく一冊のパン尽くし特集でした。おかげさまでご好評いただき、今回はそのパート2。ということで、基本的に昨年は取り上げていない店や、その後さらにオープンした新店(これが結構ある)を盛り込んでいます。

じっさい、パンって不思議です。全国各地だいたいある。老若男女から愛される。甘いのもしょっぱいのもある。つまり、おやつでも、おかずと合わせて主食でもいける。ハチミツにあんこやチョコだろうが、アンチョビやサラミに、佃煮だろうが、肉でも魚でも野菜でも果物でも、もうなんでもwelcome(ごはんじゃこうは行かない)。焼き、蒸し、揚げと手段を選ばないあたりも強い。選びは適当でもいいし、いったん凝ろうとすれば、店のセレクトからセットの組み方に食べ方アレンジなどなど、それはそれで非常にディープな世界でもある。このやたらと間口は広く、かつ奥行き深い感じ。それでいて“発酵”という、目に見えない生き物任せなプロセスが核心にある、その掴みきれない感じがまた面白さかもしれない。

だから、ひとたび「パン特集」と言っても、やりようはいろいろです。今回も本誌ならではの一冊を目指しました(詳細は略す)。ただ一つ、昨年の特集はやや東京の情報が多かったので、今回はマニアの皆さんと相談して作った全国のパン屋ガイドもプラス。北海道でも沖縄でも、その土地に根付いたパン屋はちゃんとあるし、行けば誰でも食べられる。さらに取り寄せOKの店もありますしね。そういえば、たまごサンドって、関東は茹で卵を潰したのを挟むけど、関西は卵焼きが当然だという、あの違いって? さらに名古屋はまた……と、まあとにかくパンの話は尽きることがない。そして、パンを食べる旅もまだ終わらないのです。

渡辺泰介(本誌編集部)
 
銀座〈パン・ド・エスキス〉のクロワッサン(右)と、パン・オ・ショコラ(左)のきれいな断面。巻き方、畳み方でこう違いをつけるんですね。
銀座〈パン・ド・エスキス〉のクロワッサン(右)と、パン・オ・ショコラ(左)のきれいな断面。巻き方、畳み方でこう違いをつけるんですね。


アンド プレミアム No. 20

幸せなパンの話。

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