マガジンワールド


From Editors No. 30 フロム エディターズ 1

From Editors 1

自分の「欲しい」を教えてくれる場所。
この特集を作りながら幾度となく出た話ですが、欲しいものは、だいたい検索してすぐ買えます。わざわざ時間を使い、店に足を運んでものを買う行為は、もうスローで贅沢な話なのかもしれません。そんな今、あえてオンラインではないショップガイドを作ってみました。なぜこの店に行くんだろう。ここで買い物をする良さ、楽しさってなんだろう。理由はそれぞれですが、行って「偶然」と出会えることには、やはり大きな意味がありそうです。

「ほしいものが、ほしいわ」という有名なコピーがありましたが、自分がほしいものを本当に知っているか、というとそうでもない。たまたま見るまでそれと気づかないことも、実は多いでしょう。「iPhoneが出る前に、こういうものが欲しい、というユーザーはいなかった」という話を聞いたことがあるけど、きっとそう。服でも日用品でも趣味の品でも、ショップで実物と出合い、初めてそれを知り、欲しいと思い、買う。今回は結局、そんなきっかけに一つでもなれれば、という特集でもあります。ものとその情報が溢れる時代に、自分の中の“欲しい”を発見する。そこに変わらず、いやますます実店舗を訪れる楽しさはあるのかもしれません。

渡辺泰介(本誌編集部)
 

取材で伺った〈書肆 逆光〉。東京・八丁堀にある同じビルの一つ上の階には、これも誌面でも紹介している〈プラグマタ〉が入っています。どちらも小さいけれど、まさに、検索できないものだけで成り立っている店。
取材で伺った〈書肆 逆光〉。東京・八丁堀にある同じビルの一つ上の階には、これも誌面でも紹介している〈プラグマタ〉が入っています。どちらも小さいけれど、まさに、検索できないものだけで成り立っている店。