マガジンワールド

検索しただけでは、知ることのできないもの。 From Editors No. 44

From Editors 2

検索しただけでは、知ることのできないもの。

 

今号の表紙は、巻頭のファッション連載「&days」(p.9〜)、「&style」(p.16〜)で訪れた鹿児島・奄美群島内の島、加計呂麻島で撮影したものです。その撮影の話を少しだけ。旅特集の撮影は、いつもより少しだけ入念な打ち合わせから始まります。「どんな場所で?」「何を撮影する?」スタッフが集まり、ああでもないこうでもないと話をするわけですが、とはいえ、ロケハンに行けるわけでもない。必然的に、ガイドブックを見たり、現地のコーディネーターさんにオススメのスポットを挙げてもらったり、ネットで検索したりしながら情報収集をするわけです。

ところが、最終的にはいつも「でも、行ってみないと分からないね」という結論に。そう、どれだけ情報を手にしやすくなったとはいえ、やっぱり現地の雰囲気までは、なかなか分からないんですよね。そんなやり取りを繰り返した後、旅に出たのは5月中旬のこと。しかも、奄美は梅雨入りしたばかり。「やばい、撮影できなかったらどうしよう……」少なからず不安を抱えながら降り立った現地。

蓋を開けてみれば、奇跡的に撮影チームが滞在した3日間は快晴(前後1週間は大雨だったのに!)。さらには、突然やってきた僕たち撮影チームに対しても島のみなさんがとても優しく、出会ったおじぃやおばぁが嬉しそうに島のことを語ってくれたのがとても印象的でした。実は表紙の写真も、本誌P.17で紹介している『海宿5マイル』を営むご家族の1人息子、しんくん(3歳)が、「こっちの海綺麗だよ〜」と教えてくれた場所でもあるんです。そのおかげもあり、無事に撮影を終えることができたのでした。

「やっぱり、来てみないと分からなかったね」。滞在中に撮影チームの間で何度もその話になりました。目の前に広がる美しい自然も、出会った人々との触れ合いも、情報収集しているだけでは分からなかった。想像を遥かに越えたものでした。知りたいことは、検索すればだいたい何でもヒットする(と思い込んでいる)時代に、フィジカルな体験としての旅の醍醐味を改めて知ったような気がしています。

 
(利根正彦/本誌編集部)
 
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誌面では惜しくも紹介できなかった、奄美大島の東部、龍郷町(たつごうちょう)から見た夕日。個人的には、生涯No.1の美しさ。これを見るだけで、また「旅をしたくなる」。


アンド プレミアム No. 44

旅をしたくなる。

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