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Airbnbで楽しむ、ニッポンローカルの旅01小さな半島の港まちへ #001

提供:Airbnb

高台に佇む古民家でこのまちの魅力を伝えたい。

Airbnbに滞在することで、出会える旅の魅力を紹介していきます。
第1回目、山口県で山本写真機店を営む、
カメラマンの山本陽介さんをゲストに向かったのは、
神奈川県の端っこにある、小さな半島の港まち。

神奈川県の南西部に位置する真鶴町は、小さな干物店や鮮魚店が立ち並ぶ港まちだ。特別に有名な観光地ではないけれど、ノスタルジックな風景が残るこのまちには、一度行くとファンになる人も多いと聞く。そんなまちでユニークな形態でリスティングを営む、シュンさん、ミミさん夫妻。空き家だった築50年の平屋で、自宅兼1日1組限定のリスティング兼出版社を運営しているという。

今回、ふたりのもとを訪ねたのは、山口県宇部市で3代続く〈山本写真機店〉の店主・山本陽介さんだ。山本さんはいわゆる、まちの写真屋さんとして、まちの人の記念写真を撮影するなどカメラマン業を引き受ける一方、数少ないラボとしても活躍。プロのフォトグラファーからも依頼がある。

(撮影:真鶴出版)

東海道線に揺られて

山本さんは、この日の朝に宇部を発ち、羽田空港に到着。品川駅で待ち合わせ、東海道線快速アクティーで真鶴に向かった。品川から真鶴までの乗車時間は約80分。駅弁を食べ、おしゃべりをしているとあっという間に小田原を通過。

品川駅で購入した、崎陽軒のシウマイ弁当。

真鶴駅からふたつ手前の早川駅にさしかかると車窓一面が海になり、山本さんが思わずシャッターを切る。

この日はあいにくの曇り空だったが、車窓から見える海の風景はやはり特別。

そうこうしている間に真鶴駅に到着。目の前はバスやタクシーが運行するロータリー、周りには飲食店などが並ぶ。正面にはこのまちのメインストリートである大道商店街。視界を遮る建物がなく、のどかな風景だ。

「僕が住む宇部も駅前がこんな感じなんですよ。海もあるし、親近感がわきます」
似たところはあっても初めて訪れる土地に変わりなく、山本さんは次々にシャッターを切る。駅前の地下道をくぐり、坂を上り下りすること約7分。目印となる看板が見えてきた。「背戸道(せとみち)」と呼ばれる細い路地の途中にシュンさんとミミさんのリスティングはある。

小さな路地の入り口に、看板を発見!
チェックインより少し早い時間だったが、快く迎えてくれたシュンさんとミミさん。

シュンさんが不動産屋と物件を巡っている最中に「平屋に住むのが夢で」と話したところ、紹介してもらえたという一軒家は、共用スペース、ゲストルーム、プライベートルームが各1部屋ずつというコンパクトなつくり。それでも、家の佇まいとロケーションのせいか、窮屈さは感じない。

見晴らしのいい高台にあるため、窓を開ければまちの様子が見渡せるうえに、ときおり風が抜ける。目の前の背戸道を歩く人の話し声、少し離れた場所から聞こえてくる電車の走る音など、「人が暮らしている音」も耳に優しい。

シンプルで掃除の行き届いたゲストルーム。「まだまだよくしていきたい。そのひとつとして、オリジナルのパジャマや寝具を作れたら」と計画している。

当初の予定では自分たちはアパートで暮らし、そことは別に物件を借り、ゲストハウスを営むつもりだったというふたり。この家と出会えたことで、「本格的なゲストハウス運営の手始めに」とAirbnbに登録した。

そもそもミミさんがゲストハウスにこだわるのは、大学在学中にフィリピンの山岳民族の家にホームステイした際、現地の人々にあたたかく迎え入れてもらった経験が大きく影響している。「今度は私が迎える立場になりたい」という気持ちと、「日本の普通の暮らしの良さ」を伝えたいという想いから、ゲストハウスを運営しようと決めた。

リスティングの外観。シュンさんは、階段から玄関までのアプローチが特に気に入っているという。真鶴は石材業が盛んなまち。まちで採れた小松石がふんだんに使われている。

「いわゆるおもてなしの類をしてもらったわけではないんですけど、『うちに遊びにおいでよ』『ごはんを一緒に食べようよ』って、私のことを受け入れてくれている感じがすごくありました。初めて行く場所って緊張するじゃないですか。私も普段以上に敏感になって、相手の表情や喋り方も気になったんですよね。そんななかで、声をかけてくれたり、話を聞いてくれたり、『私がそこにいる』ということを気遣ってくれていることを端々から感じて、すごくうれしかったんです。私の場合は2週間の滞在だったけれど、たとえ1日や2日だけでも、外国から来てくれたゲストの方にそういうことができたら、同じように感じてもらえるのかなって思っています」

海外からのゲストは自国にまつわるお土産をもってやってくることが多いという。左からピザのレシピ本、パリのまち並みをスケッチしたイラスト集、コアラのぬいぐるみ。下に敷いたキルトは、イタリアからのゲストの祖母が手作りしたというあたたかいエピソードも。

「私たちがここにやってきた頃は、まちの方に『外国の方に日本の普通の暮らしの良さを伝えたくて』と話しても、『外国からわざわざ来るわけないじゃない』という人もいたくらい、外国人が歩いていなかったんですよ。それが最近だと、まちで外国人を目にすると、私たちのゲストだと思ってくださる方も増えてきました。なかには、『その人はうちのゲストじゃないです』というときもあるんですけどね(笑)」

ゲストが到着したらまずはお茶を飲んでひと息つき、自分たちや真鶴について話した後、実際にまちを歩くというのが定番の流れ。真鶴の説明のときには地図を広げ、その歴史や地形についても簡潔に伝える。

江戸時代まで遡り、真鶴のまちのことを教えてもらう。幕末の歴史でも知られる長州藩出身の山本さんも「こういうの好きなんです!」と熱心に聞いていた。(撮影:コロカル編集部)

「お話をしたなかで、どこを見たいか、どんな体験をしたいかを尋ねて、まち歩きの内容を考えたり、レストランを紹介したりします。私が一緒に歩くことも多いですが、ゲストによっては自分たちの時間を過ごしたいという方もいるので、様子を見ながら臨機応変に対応しています」

まち歩きのコースは大きく分けてふたつある。毎年7月には例大祭が行われるという兒子神社や、人の死後の世界を表した如来寺跡などを巡る岩地区コースと、独自のまちづくり条例である「美の基準」が反映された風景を散策し、個人商店を訪ねる真鶴地区コースだ。「美の基準とは?」という山本さんの質問に、シュンさんが冊子を見せてくれた。これは一体……?

photo:yosuke yamamoto text:hiromi kajiyama

Guest Profile
山本陽介

やまもと・ようすけ●山本写真機店店主。写真と写真屋の魅力を伝えるため、写真を軸にしたさまざまなイベントを開催する。2005年より開催しているおもしろ写真教室「cheeeese!!」は11年目に突入した。
http://yamamotocamera.jp

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