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Airbnbで楽しむ、ニッポンローカルの旅01小さな半島の港まちへ #003

提供:Airbnb

潮の満ち引きで現れる道とは!? 幻想的な真鶴の秘境。

Airbnbに滞在することで、出会える旅の魅力を紹介していきます。
第1回目、山口県で山本写真機店を営む、
カメラマンの山本陽介さんをゲストに向かったのは、
神奈川県の端っこにある、小さな半島の港まち。

2日目の朝。
山本さんが身支度を済ませ、ゲストルームから出てくると、シュンさんとミミさんが朝食を準備しているところだった。

土鍋で炊いたごはんに高橋水産で調達した干物、あおさの味噌汁、近所の店で購入したイカの塩辛など、真鶴の海の幸が並ぶ。普段はパンを食べることが多いというふたりも、ゲストと一緒の日は意識して和食を食べている。リクエストがあれば無償で朝食を出していて、特に和食は国内外のゲストが喜んでくれるという。

「ゆっくり眠れました?」と尋ねると、冨士食堂から帰宅後は、入浴を済ませ、すぐに床についたと山本さん。入浴前には共用スペースで漫画を2冊読んだらしく、さながら自宅で過ごすようにリラックスできた様子だ。

普段は朝食を食べないという山本さんも「昨日の干物屋さんの顔が浮かぶと、食べられますね」と箸が進む。

今日は、昨日だけでは回りきれなかったシュンさんとミミさんのおすすめスポットに行ってみることに。ひとつは、半島の先端に位置し、3つの巨岩を持つ島「三ツ石」。もうひとつは、三ツ石の手前にあり、古くから真鶴の人々に大切にされてきた「お林」だ。リスティングから三ツ石までは5キロほど離れているため、ゲストにはバスやタクシーを案内しているそう。

「三ツ石は半島の先端なので景観がきれい。初日の出のときには岩の間からご来光を拝めるので渋滞するほどの人出です。潮が引くと三ツ石まで道ができて歩けるんですよ。私たちもちょうど一昨日行ってきたところです。先端まで行けたのはよかったものの、どんどん潮が満ちてきて、ハードでしたよ。『こっちはまだ道があるぞ〜』って、アトラクションみたいでした」

三ツ石と同じくお林も真鶴の人々にとっては特別な場所だ。はじまりは1657年に起きた江戸の大火にまでさかのぼる。この火事で江戸の大半が消失してしまったため、建築資材を確保するために小田原藩の支配下にあった真鶴でも植林するよう命令が下り、3年かけて15万本の松を植林。明治維新後は、一時天皇の御料林になり、昭和29年以降は〈県立真鶴半島自然公園〉、さらに〈魚(うお)つき保安林〉として大切に保護されてきた。

「こうやって人を通すとスッと入ってくるし、本で読むより覚えていられる気がします」と山本さんは熱心に耳を傾ける。

さまざまな言語で書かれていたゲストノートに、山本さんも感想を。

三ツ石まで直接車では近づけないため、最寄りの施設「真鶴町営ケープ真鶴」で下車し、三ツ石海岸まで階段をひたすら降りていく。

階段の上から見た三ツ石。春から夏の大潮では、もっとも潮が引く干潮が昼間になる。
ゴツゴツした岩場を歩いてゆく。(撮影:コロカル編集部)
長い階段を降りたところ。三ツ石は「かながわの景勝50選」のひとつ。左右の岩がしめ縄で結ばれており、この間から初日の出が上る。

運良くこの日の干潮に間に合い、三ツ石を見ることができた。しかし、足場は想像していた以上にゴツゴツしていて不安定。この道を先端まで進むのには相当体力がいるはず。ミミさんの「ハードでしたよ」という言葉にも納得。

そろそろ戻ろうかと引き返した頃に雨が降ってきたので急いで階段を登る。足はすでにパンパンだったが、せっかくだからとお林の遊歩道も歩いてみることに。一歩足を踏み入れると、ほかの場所とは空気の澄み方が違う気がした。

「魚つき保安林」の字のとおり、科学的には証明されていないものの、真鶴の海に多様な生物が生息するのはこのお林があるからだと信じられている。

雨を吸い込んだ木々と土の香りが心身に染み渡っていく。のんびりと10分ほど歩くと車道に出たため、近くの美術館から昼食をとりに駅のほうまでタクシーを走らせる。

最後の目的地は真鶴ピザ食堂ケニー。昨年12月にオープンしたばかりにもかかわらず、予約していた2階の座敷以外は満席という人気ぶりだ。マルゲリータなどの定番もおさえつつ、オリジナルの真鶴ピザには真鶴でつくられた干物を使ったピザもメニューに並ぶ。

「赤のうずわピザ」。うずわはソウダガツオのこと。トマトソースベースに、うずわの干物とペーストがトッピングされている。生地は薄く、女性でも1枚をペロリと食べられる。
昨年6月に移住してきたばかりという店主夫婦。

ここでしか食べられない一皿を味わい、大満足のうちに帰路についた。

山本さんは今回の体験を通して旅の醍醐味を再確認できたとしみじみ。

「よその土地にきたら車で移動するんじゃなくて、歩くのがいい。目的地to目的地だとやっぱり物足りないし。真鶴の歴史や地形についても教えてもらえて、そうすると俄然真鶴推しになるでしょ。せっかくだったらこうして土地と結びつきを強くしてくれる旅行や体験をしたい。エアビーだとそれがより手軽にできる感じもあるじゃないですか。楽しくて、金銭的負担も少なくて、予想外の出来事にも遭遇しやすい。それってまさに旅の醍醐味ですよね」

1泊2日という短い滞在だったが、シュンさんとミミさんのおかげで帰る頃にはまちに親しみを感じるほどになっていた。長い時間をかけて形成された自然と、人々の高い美意識によって守られてきた風景、そして昔ながらの豊かなコミュニティ。誰かの日常を体験する新鮮な旅に出てみませんか?

photo:yosuke yamamoto text:hiromi kajiyama

Guest Profile
山本陽介

やまもと・ようすけ●山本写真機店店主。写真と写真屋の魅力を伝えるため、写真を軸にしたさまざまなイベントを開催する。2005年より開催しているおもしろ写真教室「cheeeese!!」は11年目に突入した。
http://yamamotocamera.jp

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