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Airbnbで楽しむ、ニッポンローカルの旅02島のチャンプル文化を訪ねて #001

提供:Airbnb

沖縄の民家に滞在して、出会った旅の風景とは。

Airbnbに滞在することで、出会える旅の魅力を紹介していきます。
第2回目にイラストレーターの塩川いづみさんと向かったのは、
古い城跡や焼き物の里として知られる沖縄の読谷村。
彼女が感じたこの地の風景もスケッチしてもらいました。

有人、無人を含めて363の島々からなる沖縄県のなかでも、今回、イラストレーターの塩川いづみさんは沖縄本島へ降り立った。目指すは本島でも中部に位置する読谷村(よみたんそん)。沖縄のイメージそのままの美しい海岸線とサトウキビ畑をはじめ、読谷村は、琉球王朝時代の城跡で世界遺産の座喜味城跡、沖縄の伝統的な焼き物「やちむん」の窯元が集まる〈やむちんの里〉や600年の歴史を持つ織物〈読谷山花織〉(よみたんざんはなおり)がある。また、沖縄の三線音楽の始祖とたたえられている赤犬子(あかいんこ)が祀られていて、そのゆかりの地として琉球古典音楽や島唄が盛んな村だ。

読谷村に訪れたのは4月頭、すでに初夏の陽気だった。1年のなかでも特に過ごしやすいこの季節を沖縄では「うりずん」と呼び、各地では海開きも始まる。那覇空港からレンタカーを借りて、国道58号線を北に約1時間。嘉手納町(かでなちょう)から比謝橋(ひじゃばし)を越えたところで私たちは読谷村に入った。

読谷村、喜名番所通り。かつては宿場町として栄えたこのエリアの街灯の柱にはやちむんが付けられている。

「沖縄本島をはじめ、石垣島と竹富島など、沖縄にはこれまで修学旅行や家族旅行で訪れていました。でもそのときは人も大勢いましたし、ほとんど行程が決まっているツアーのような旅だったので、今度訪れるときは自分の計画次第の自由な旅がしたいと思っていたんです」という塩川さんは今回、地元の人の目線に寄り添うローカルな沖縄を大切することを旅の心意気にしていた。

「観光地として人気の沖縄ですが、そういったある種のお膳立てされた沖縄ではなく、地元の人たちがいつもの日常で見ている風景を感じながら、お話もおうかがいできたらいいなあと思うのです」

少し早めに着いたので、読谷のまちをてくてく散策。

Airbnb初体験という塩川さんが今回宿泊するのは、国道58号線から少し入ったところの静かな住宅街の中にある古民家。ホストはウチナーンチュ(沖縄県民)のミッチーさんだ。

「ミッチーさん、どんな方かな。どんな思いでリスティングを営んでいるのか、沖縄での暮らしについてもいろいろとうかがってみたい。うまく言えないのですが、自分が何も知らないお客さんのままではいたくないというか、やっぱり今の沖縄の姿をできるだけ感じたい」

リスティングへの想いを膨らませる塩川さん。ちょうどお腹が空いてきた私たちは先に読谷村でお昼を食べることにした。

2008年にオープンした金月そば読谷村店。世界に通用する次世代の沖縄そばを確立すべく、現在はこの読谷村店をはじめ、沖縄本島に3店舗お店を構える。

沖縄の食といえば、中国や台湾、アメリカの影響が色濃く残る料理も多く、とにかく多彩。そんななかでも「おいしい沖縄そばが食べられる」と事前にミッチーさんがメールで教えてくれたのは、読谷村は58号線を沿いの〈金月(きんちち)そば〉読谷本店。

そばといっても蕎麦粉は使われておらず、小麦粉のみでつくられている沖縄そば。ダシは豚骨や鰹節を用いるのが一般的のようだが、地域によってさまざまなバリエーションがある。金月そばはどんな味がするのだろう。とても楽しみだ。

柔らかく煮込んである三枚肉と厚揚げの金月そば定番の沖縄そば(並・650円〜)と合わせてゆし豆腐やっこ(250円)をいただく。

「もちもちの麺とあっさりスープの絡みがすごく合う」と、食べて大満足。沖縄産小麦にこだわったという弾力ある自家製の極太縮れ麺を、無添加という鰹だしスープでいただいていると、塩川さんがさらに感激したのがゆし豆腐だった。

ゆし豆腐もまた沖縄の郷土料理だ。豆乳ににがりを加えただけのおぼろ状の豆腐で、そのままお醤油で食べてもおいしいし、みそ汁などの具にしたり、こうして沖縄そばにのせて食べたりもする。

「このゆし豆腐のおいしさは一体??」。しばらく余韻に浸りつつ、店員さんに尋ねてみると、「このゆし豆腐は親志(おやし)豆腐さんのものですよ」と教えてくれた。場所もここ読谷村にあるという。満腹の私たちはそのまま歩いて親志豆腐へ向かってみることにした。

静かな住宅街のなかを進んでいくと、沖縄の守り神、シーサーにたくさん遭遇する。お家の門や屋根に鎮座するシーサーの愛嬌ある表情を見ながら、「シーサーをスケッチしたい」と塩川さん。私たちは今、沖縄にいることをじんわりと実感していった。

「親志豆腐はこの辺りかな?」と看板もなくうろうろ迷っているところ、路上に1枚の領収書が落ちている。そっと拾って見ると「親志豆腐」の電話番号が書かれていた。さっそく電話をしてみると、すぐそばで電話が鳴っている。「ここだ!」と私たちは達成感に満ちていると、入り口からひとりの男性が笑顔で出てきてくれた。

「スーパーには卸していないんですよ」という、貴重な親志豆腐の味を忘れられない私たちは、ここで直接購入。明日の朝、食べようと心しながら、いよいよホスト、ミッチーさんの待つ古民家へと向かった。

このまちでずっとゆし豆腐をつくり続けているという親志豆腐は、地元でも太鼓判のおいしさ。
シーサーに加え、各家の入り口に「石敢當」(いしがんとう)と刻まれた石碑を何度も目にした。魔除けの意味なんだそう。これはユニークなシーサーのかたち。

国道58号線を入ってすぐの静かな住宅街のなかに古民家はあった。目印というオリオンビールの提灯が見えたとき、「どうも、こんにちは」とホストのミッチーさんが私たちを出迎えてくれた。

昔ながらの赤い瓦屋根がかわいい平屋。目の前に車を停めることができる。

さっそく中に入ると、広いリビングルームとキッチンに3つのベットルーム、その奥に洗面所とお風呂という間取りで、5〜6名なら悠々と過ごせる広さがある。
「沖縄は琉球王国時代、中国や日本、朝鮮、東南アジアとの交易を通じて独特の文化をつくり上げてきたので、多種多様な価値観を受け入れてきたんです。それを“チャンプル文化”というんですが、それをリスティングでも表現できればいいなと思って、例えばベッドルームは、それぞれ沖縄と同じ緯度に位置する国、インド、アメリカをモチーフにしたつくりにしたんです」

こちらは沖縄がモチーフの畳の部屋。どの部屋も隅々まで丁寧に掃除されていて清々しい。

生粋のウチナンチューというミッチーさんは、昨年リスティングを始めた。どんなきっかけで始めたんだろう? 私たちはミッチーさんの案内のもと、沖縄にある世界遺産のひとつへと向かった。

illustration:izumi shiokawa photo:yayoi arimoto text:nanae mizushima

Guest Profile
塩川いづみ

しおかわいづみ●イラストレーター。長野県生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン科卒。広告、雑誌、商品などで活動するほか、展示会で作品の発表もしている。作品集に『between YOU&ME』(ELVIS PRESS)『3着の日記』(ひがしちか・前田ひさえと共著/土曜社)
http://shiokawaizumi.com

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