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いま話題のAGA(男性型脱毛症)とは? 毛髪の代謝メカニズムを探求する。

いま話題のAGA(男性型脱毛症)とは?
毛髪の代謝メカニズムを探求する。

生えてきた産毛は成長し、たくましい毛髪に育つはずだが、育ち切る前に抜けてしまうトラブルがある!
取材・文/廣松正浩 撮影/大嶋千尋 イラストレーション/安ヶ平正哉 取材協力/正木健太郎(銀座総合美容クリニック院長)
 

夏が過ぎ、残暑も先が見え始めるこの時期には、体調の変化する人が現れる。なかには、入浴中の洗髪時に抜け毛が増えて驚く、あるいは、起床直後の枕に残る抜け毛の多さに不安を感じる人もいるだろう。

「動物には夏毛と冬毛があって、季節の変わり目に入れ替わります。人のカラダにはその名残もあり、春先や秋口には抜け毛が増えることもあります」と語るのは正木健太郎医師(銀座総合美容クリニック院長)だ。
「夏に浴びた紫外線も影響するのか、9月~10月は一年で最も抜け毛が多くなる時期です」

自然な入れ替わりならいいが、抜け毛が収まらず、薄い箇所が出現したり、額の生え際が後退していくようなら、早めに対策を打たないと悲劇を招く。
「AGA(男性型脱毛症)とは男性ホルモンの分泌が盛んな20代から40代後半までの男性に広く見られる症状で、放っておくと広範囲の毛髪を失う恐れもあります」

 
1.脱毛する
本来であれば次に生える髪の準備は始まっている。
2.成長が始まる
ヘアサイクルが健全なら、またちゃんと生えるはずだが。
3.ヘアサイクル中期
太さ、長さ、密度が十分なら薄毛呼ばわりされません!


 

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6.毛球が完全に退行する
知らぬ間に毛根では脱毛に向けて着々と異変が進行する。
5.毛球の退行が始まる
髪が成長の段階から、抜ける準備へと移行していく。
4.毛球が太く成長する
太く長い毛髪がふさふさに伸び、見るからにたくましい!


 

ここで図を見ながら、毛髪の新陳代謝をざっとおさらいしておこう。皮膚直下の毛包内の奥深くに、発毛の司令塔、毛乳頭がある。これが指令を出すと、毛母細胞が盛んに分裂を繰り返し、毛髪が成長し始める。
やがて毛包から顔を出した産毛は、少しずつ太さ、長さを増して、たくましい毛髪へと成長を遂げ、2~6年もの長い日々を伸び続ける。
だが、成長を終えた毛髪は衰え始める。このプロセスもゆっくりと進行し、最終的には抜け毛に至る。これがいわゆるヘアサイクルだ。
「ところが、AGAになると毛髪は数か月から1年程度で成長期を終え、脱毛へと向かってしまいます」

早々と抜けてしまう毛髪が増え、肝心の発毛が追いつかなくなれば、毛髪の密度が低くなるため、薄毛に見えたり、地肌が透ける、生え際が後退するなどの症状となる。
分類図でいうと一番下の列、右から2つ目。額の左右端が後退し、つむじのあたりの頭頂部が薄くなる型が典型例だ。
「いまではこの原因が分かっています。AGAに悩む多くの方の皮脂腺は5αリダクターゼという酵素を分泌していて、これが男性ホルモンのテストステロンをDHT(ジヒドロテストステロン)に変換しています。DHTの受容体は、困ったことに頭頂部と前額部の毛乳頭に集中しており、ここにDHTが作用するとヘアサイクルを短縮してしまうのです」

テストステロンは意欲の源にもなる善玉のホルモン。それがDHTになると、途端に髪にとっての悪玉になるのだ。
「抜け毛の他にも、髪が伸びづらくなった気がしたり、散髪の間隔が開いてきたなどの自覚があれば、早めの受診をお勧めします。当院は初診に要する時間は約1時間。専門医ならAGAによる脱毛か、他の原因による脱毛なのかすぐに診断できます。いまではAGAは治療ができるようになってきており、早期に治療を開始できれば、大きな効果が期待できますよ」

多くのクリニックで採用されている内服薬のフィナステリド(プロペシア錠)は、5αリダクターゼを阻害することで、DHTの生成を抑えてくれる。
「同時に発毛を促すためミノキシジルなども使いながら治療を進めていきます。順調にいけば3か月後ぐらいから産毛が増え始め、半年後には写真に撮ると変化が分かるくらいに治療効果が表れるはずです」

薄毛の症状によっては、昨年新たに認可されたデュタステリド(ザガーロカプセル)や施術による治療を行うこともある。
「とはいえ、どれも薬である以上、副作用の出ることも考えなければなりませんので、経過は定期的にきちんと診察を行います」

脱毛の原因は母方家系からの遺伝要素もあるという。もしも遺伝ならば仕方がないと、あきらめてしまうのはまだ早い! いまではこの生理現象の核心を治療する医薬品があるのだ。安心して専門医の待つクリニックを訪ねてほしい。AGAは治療できる時代なのだ。

 

[脱毛分類図]

[脱毛分類図]
 
体質によってAGAの発現、進行もさまざま。
上はAGAの臨床でよく用いられるハミルトン・ノーウッドのチャート。薄毛のパターンは人によってさまざまだが、側頭部と後頭部に症状は出づらい。
 
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額の後退は自分で見えるが、つむじの異変は家族でもいなければ、見落とされがち。


 
正木健太郎さん

正木健太郎さん

●まさき・けんたろう 
AGA治療専門〈銀座総合美容クリニック〉院長。東京都港区新橋1-4-5 G10ビル9・10F。診療時間/月~土11:00~20:00、日祝11:00~19:00、休診日/水曜。完全予約制。無料カウンセリングも。初診3,240円~、血液検査5,400円~、内服薬7,020円~(すべて税込み)。
問 TEL 0120・972335、http://www.gincli.jp
 
AGA治療専門〈銀座総合美容クリニック〉