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Brutus Mail

BRUTUS No. 794

2015年の写真特集は、写真家・ホンマタカシさんとつくりました。「写真はみんなのモノなんです」というホンマさんの言葉を受けて、特集名は『みんなの写真』としました。扱うのは、雑誌とインスタグラムの写真です。

前半は、雑誌で活躍するフォトグラファーたちとホンマさんが写真について考えます。登場するのは、奥山由之さん、白川青史さん、松原博子さん、川島小鳥さん、沼田元氣さん、森栄喜さん、梅佳代さん、川内倫子さん、伊藤徹也さん、平野太呂さん、木寺紀雄さんの計11名。彼ら彼女らの作品が掲載された誌面を前に、語り合います。後半はインスタグラム。水原希子さんにその醍醐味を聞きました。そして、編集者の岡本仁さんはホンマさんにインスタを始めるよう勧めるのです。また、ブックインブックは「ふりかえってみる、雑誌の写真」。マガジンハウスから刊行された1970年代以降の雑誌写真を振り返ります。さらに、今号には特別付録としてポスターが付きます。それも4枚。ホンマさんがハワイで撮り下ろした『NEW WAVES 2015』です。

「写真は撮るだけじゃありません。さあ、みんなで写真について考えたり、語り合ったりしませんか?」と特集の序文で書いたホンマさんの案内のもと、写真の楽しみ方を考えてみましょう。


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『ホンマタカシ×川内倫子』トークイベントへご招待
今回の写真特集の2大テーマのひとつとなったInstagram。アップする人間も、それを見る人も楽しめるInstagramのテーマの見つけ方とは。当日の来場者たちが撮影してきたクルマの写真についても語り合います。この『INTERSECT BY LEXUS – TOKYO』で行われるイベントへ15名の読者をご招待します。
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「みんなの写真」発売記念イベント
ホンマタカシ×梅佳代×森栄喜×川島小鳥氏がトークします!

「みんなの写真」特集発売を記念して、特集をディレクションしたホンマタカシさんをナビゲーターに。同特集に登場する梅佳代さん、森栄喜さん、川島小鳥さんをゲストスピーカーに迎えてトークショーを行います。
2月15日 代官山 蔦屋書店にて
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CONTENTS

特集
みんなの写真

アンファンテリブル、奥山由之

白川青史、ポパイのイメージの作り方

可愛い反抗心、松原博子

写真の力を信じる、川島小鳥

早すぎた天才、沼田元氣を知っていますか?

新たな価値観で男を撮る、森栄喜

『料理男子』の梅佳代と『花椿』の川内倫子。

雑誌写真って、買えるんですか? 伊藤徹也、平野太呂、木寺紀雄

昔から、雑誌の写真はすごかった。

BOOK IN BOOK ふりかえってみる、雑誌の写真。

水原希子さんに、Instagramについて聞きに行く。

PICK OUT 24 GOOD INSTAGRAM

岡本仁、インスタを勧める。

特別付録ポスター NEW WAVES 2015

連載小説「ドルフィン・ソングを救え!」第三回 著・樋口毅宏

 

…and more!


From Editors 1

波を見ながら、写真について想う。
NEW WAVES 2015。

ホンマタカシさんの作品『NEW WAVES』を初めて観た時〈「relax」の75.5号(2003年発刊)〉の印象は、写真に対して云々というより、ハワイの波だけで一冊の雑誌を構成してしまう、その思い切りというか自由さというかおおらかな編集術に「まいった!」というものだった。

その後、さまざまな場所での展示や写真集などで、『NEW WAVES』を観てきた。ドラマチックでも、特別でもない波。美しくブレイクしていない波は、サーフィンをしている自分にとっては、あまり惹かれる波の写真ではないな、という思いが心の片隅にいつもあった。(ホンマさんに正直に話したら「サーファーはみんなそう言うんだよ 笑」と鷹揚な対応だった)。

今回の特集を作るとき、ホンマさんにひとつお願いしたことがあった。写真がもっと身近なものとなるような、額にきちんといれなくても、思い立った場所にさらっと画鋲やテープで貼れる、ざらっとした、親近感のある紙を使ったポスターを作りたい、と。

2015年1月2日から3泊5日、ホンマさんとともにハワイ・ノースショアへと向かった。ポスターのテーマは、NEW WAVES 2015。

毎朝6時からと毎夕。4×5のカメラをかついで、ホンマさんは波と対峙する。想像していたよりも、和やかな雰囲気のなか、たんたんと撮影は続く。狙ってはいない、でも選んでシャッターを切るホンマさん。

サーフィンをする人間として波の写真を観る、それもひとつの写真との付き合い方だ。でも、その枠組をとっぱらってみると、また違った波の写真の味わいが見えてくる。ホンマさんは、けっして言葉では説明しない。でも写真と向き合っているうちに、その意味がわかってくる。

雑誌でおもしろい写真を撮っている人たちと作りたい。「特集を一緒に作りませんか?」というお願いにホンマさんはこのテーマを掲げた。それに対して、僕は「意図は?」「それは誰が必要としているの?」ということをはじめとする、質問や疑問や提案をホンマさんにぶつけ続けた。しつこいくらいのやりとりは、まどろっこしかったのだろう、ときにホンマさんを本気で怒らせたものだ。

写真を観れば観るほど、取材を重ねれば重ねるほど、原稿ができて入稿するページが増えれば増えるほど、ホンマさんが伝えようとしていること、写真についての考え方や付き合い方が、カタチとなって見えてくる。
できあがった特別付録のポスター4枚(裏表あるので、豪華8枚分)と特集を眺めている。写真のことがいままでよりさらに身近なものになった。「まいった!」というのが、正直な気持ちだ。くやしいからホンマさんには絶対、直接言うものか、とは思っている。でも、これだけは伝えたいと思う。また、写真の特集、一緒に作りましょう! と。

 
●杉江宣洋(本誌担当編集)



From Editors 2

昔の写真が持つ熱気に
あてられ続けた数日間。

出社。編集部員の所在や帰社時刻を伝えるホワイトボードの私の欄に「資料室」とだけ書き込み、階下にあるその部屋へ。観る、観る、観る、コーヒー、観る、観る、観る、トイレ、観る、観る、観る、観る、観る……気がつけば、夜。数日間続いた、私の仕事パターンです。

1945年、凡人社の名称で創立されたマガジンハウスは「an・an」「BRUTUS」「POPEYE」「Olive」「GINZA」「relax」など、数々の雑誌を世に送り出してきました。雑誌の写真を取り扱う今号のブックインブックでは、1970年代以降に刊行されたマガジンハウスの雑誌の写真を振り返ります。写真家たちが当時の光景と空気感を切り取り、時代をリードした写真を改めて観返しました。私が資料室でひたすら続けた「観る」は、1970年以降のバックナンバーのことだったのです。ただ、観るべき冊数は膨大です。BRUTUSで793冊、POPEYEなら814冊、an・anに至っては1,940冊……。そのすべてに目を通しました。

まず着手したのはan・an。気になるページに付箋をつけていったのですが、1冊目の合本を観終えて愕然とします。合本には何十もの付箋が並び、はたして“印”として機能しているのか分かり兼ねる状態。さらに、時計に目を遣ると、1時間半も過ぎているではありませんか。スピードアップしようと意気込みながら2冊目のページをめくるのですが、結果は同じ。どうにも“強い写真”が多いのです。篠山紀信さん、沢渡朔さん、立木義浩さん、森山大道さん、十文字美信さん……といった今では写真界の重鎮となっている方々の挑戦心溢れる作品が、私の目を、手を、止めてしまうのです。

「今の若い人ってYouTubeでリサーチした昔の音源を『新しい!』って聞くじゃない。雑誌の写真も同じ。古くても、自分の知らないことは新しいことだよね」とは、ホンマタカシさんの言葉。私にとって、資料室に並ぶ30年も40年も前のバックナンバーは、強烈な表現を伴った“新刊”でした。

 
●阿部太一(本誌担当編集)




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