*メールマガジンがうまく表示されない場合はこちらのWebページをご覧ください。

Brutus Mail

BRUTUS No. 802

キャンプの季節、到来です。夏のアウトドアとしてすっかり定着した感のあるキャンプですが、とりあえずキャンプ場を予約して、なんとなくテントを立てて、流れでバーベキューして焚火を囲んで……の繰り返しになっていたりするもの。キャンプが毎年夏の恒例行事になっているなら、そろそろいつもと違う、スペシャルなキャンプを楽しみたいですよね。3年ぶりの今回のキャンプ特集では、周りも羨む憧れのキャンプを紹介していきます。

巻頭から続くのは3つのキャンプストーリー。まずはアメリカ西海岸をフォルクスワーゲンのキャンピングカーで旅する話から。オートキャンプのいいところは、毎日泊る場所が変わっていくこと。期待していたキャンプ場がまあまあだったこともあれば、思わぬ場所に絶景のキャンプ場を見つけたりも。移動しなければ分からないキャンプの楽しみ。続いて鳥取・大山の麓での、食と音楽を囲むキャンプ。〈Little Nap COFFEE STAND〉濱田大介さんのひと声で集まった面々が、鳥取の生産者と触れ合いながら過ごしたひととき。沖縄・座間味島の沖合にある無人島では、島をまるごと使ったキャンプを楽しむことが。写真家の藤代冥砂さんが沖縄の友人たちを誘い、父と子だけのサバイバルキャンプを楽しみました。さらに幅広いキャンプの魅力にも触れていきます。最近よく耳にする“グランピング”。「グラマラス」+「キャンプ」の造語、つまりは「贅沢なキャンプ」。その源流を求めにインド・ジャイプールへの取材を敢行。女優の小島聖さんはジョン・ミューア・トレイルをキャンプしながら歩いた20日間の献立表を、写真家の石塚元太良さんは小型機でアラスカの氷河に降り立ち熊に怯えながらのキャンプを綴ってくれました。

特別付録は「CAMPING EQUIPMENT」。キャンプをもっと自由に楽しむための、ギア&ツールガイドです。それでは、充実のキャンプライフを。



CONTENTS

ENJOY CAMPING! @HIPNIC, Big Sur

特集
キャンプしようよ

うらやましくなるキャンプのすべて

CAMP STORY 01
刺激的な「文字」を求めて、ひた走る。ヴァナゴンで西海岸オートキャンプ。

CAMP STORY 02
鳥取・大山(だいせん)の麓(ふもと)で、食と音楽、仲間が集うキャンプ。

CAMP STORY 03
父と息子が向き合う時間。沖縄で無人島キャンプ。

小島聖のジョン・ミューア・トレイル、20日間の献立表。

アンドレア・ウェスタリンド、ニッポンをキャンプする。

Book in Book
CAMPING EQUIPMENT
What You Need Now for Better Outdoor Activities

インドの森でグランピング!?

文字で味わうキャンプ料理。

エクストリームキャンパー。

小型機で辿り着いた、アラスカ氷河キャンプ。 写真・文/石塚元太良

連載小説「ドルフィン・ソングを救え!」第十一回 著・樋口毅宏

 

…and more!


From Editors 1

いくつになっても
キャンプが楽しい理由。

小学校低学年から大学生までボーイスカウトに所属していました。ボーイスカウトというのは、夏の野営がなによりのイベント。常日頃から練習しているロープ結びだったり炊事だったりは、夏の野営でどれだけ他の班員に己の技能を証明するかだったりもします。森の中でキャンプに適した平地を探し、重いテントをなんとか立ち上げ、固形燃料無しで火を熾し、焦がさず飯盒炊爨をこなし……そんなキャンプを経験してきた自分にとっては、今のキャンプをめぐる環境はなんて素晴らしい、と思ってしまうことひとしお。ストレスの無いキャンプ場と、ハイスペックなギアの数々。おかげでキャンプはとても身近なアクティビティとなりました。でも一方で、もっと高揚感にあふれるキャンプをしてみたいと感じることも。というわけで、ひさしぶりの今回のキャンプ特集では、すこしだけ背伸びをした、人もうらやむキャンプを集めてみました。

ちなみにこの取材でもさまざまな場所でテント出張をしてきましたが、私のキャンプでの個人的な悦びとは、テントに戻って寝床に入り、仰向けになって目を瞑り、うとうとしかけるその瞬間。闇と、森と、テントと、寝床との境目が曖昧になり、月の明るさや虫の鳴き声や草の擦れ合う音などがテントの薄い皮膜を越えて五感に訴えてくる、その瞬間。それは、30年以上前にボーイスカウトの野営で初めて感じた時も、今回訪れた沖縄の無人島でも、インドのグランピングリゾートでも変わらない悦びでもあります。

オトナになっても、自然の雄大さや神秘さに目を見張る感性を持ち続けていたいもの。キャンプはそのことを、今でも私に教えてくれるのです。

 
●田島 朗(本誌担当編集)



From Editors 2

キャンプに
何を持っていくか、
何を食べるか。

道具ばかり揃えてキャンプにはいっこうに行かない人がいますが、かくいう私もその1人。今回も、キャンプ号に関わらずフィールドには一度も足を踏み入れないまま特集を終えましたが道具愛はそのままアウトドア愛のひとつのカタチですね。そういえばアンアン在籍時代、使わないのにマスカラにとても詳しくなってしまい女性に嫌がられたこともありました。

さて、今回のキャンプ道具カタログはアイテム別ではなく、使用シーンにわけて紹介することにしてみました。例えば、「SET A TENT(テントまわり)」「MAKE LUNCH(昼食作り)」「ENJOY AFTER-DARK(暗くなってから)」などといった具合に。3年前のキャンプ特集以後に登場した新しいキャンプ道具もたくさん掲載していますが、これだけキャンプが注目される昨今では、いろいろと選択肢も増えており自分のスタイルを鑑みた上で何を選ぶか、センスが問われているような気がします。今回は中目黒の「バンブーシュート」に勤める甲斐一彦さんに監修してもらいながら、クラシカル趣味のアウトドアではなく、ソリッドで少し尖ったアイテムを中心に紹介することにしました。大自然で映えるカラフルなアウトドアウェアを選ぶのではなく、<south2 west8>の黒いアウターをあえて選ぶ。そんな “キャンプスタイル” の模索が今年のギアカタログの裏テーマでもあります。今回掲載した道具やウェアを眺めるだけでもいまのキャンプはこうなのか、という驚きに満ちたものになっているはずです。

さて、もうひとつ担当した企画<小島聖のジョン・ミューア・トレイル、20日間の献立表>を紹介します。こちらは昨年6月に女優の小島聖さんとその友人がカリフォルニアのジョン・ミューア・トレイル(以下JMT)を20日間かけて歩いた記録です。JMTはナチュラリストとしてアメリカの国立自然公園の父とも呼ばれる偉人、ジョン・ミューアの功績を讃えて作られた全長340kmのロングトレイルです。以前、ブルータスでも松浦弥太郎さんがJMTを歩く記事を紹介したことがありますが、今回は女性のふたり旅ということもあり、道中の食事を細やかに記録しており、またその食事がロングトレイルの途上とは思えないほどバラエティに富んでいたので今回はそこにフォーカスして、これまでにないJMTでのキャンプの魅力を紹介しています。アメリカのロングトレイルを踏破した稀有な体験については小島さん自身が執筆。長文はほとんど書いたことがないと謙遜していましたが、その豊かな感情表現と細やかな描写は、まるで未踏の地を旅したような気分にもなりました。「歩くことも料理することも特別なことではなく日常に寄り添ってある」。そんなアメリカのロングトレイルの魅力を誌面で追体験してみてください。

 
●町田雄二(本誌担当編集)




定期購読のご案内

ブルータスを買いそびれないように、定期購読しましょう! 22冊分でもう1冊、年間23冊がお手もとに。送料は無料。定期購読するにはマガジンハウスリーダーズクラブへの登録が必要です。

magazineworld.jp/user/subscribe/brutus

ブルータスのツイッター、もう見ましたか?

各特集の担当編集が、ロケ現場から、編集部から、制作過程の今をつぶやくブルータスのツイッター、@BRUTUS_mag。幅広い複数のテーマを持った特集が同時進行で進められるブルータスならではの、取材現場の緊張感や醍醐味が体感できると好評です。まずは下記のリンクからチェック!

twitter.com/brutus_mag


バックナンバーのご案内

ブルータスのバックナンバーがウェブ上でも購入できます。「マガジンハウスオンラインショップ」をご活用ください。ダイレクト配送 (3日ほどで発送。土日祝日を除く) です。

magazinehouseshop.jp