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BRUTUS No. 804

誰もが、彼が書いたそれらの歌をくちずさむことができるでしょう。時代時代にタイムリーなスマッシュヒットを打ち立てながら、タイムレスに愛され続ける作詞家。今号のブルータスは、作詞家生活45周年を迎えた松本隆の特集です。

巻頭は、多くの著名人に聞いた、その心をとらえた松本隆の歌詞について。吉本ばなな、川内倫子、広瀬すず、糸井重里、穂村弘、髙田漣…、影響を受けた歌も時代も人それぞれ。あらためて、その影響力のスゴさを思い知らされます。続いて、松本隆本人も「この人と出逢わなければ今の自分はいない」と語る細野晴臣さんとの対談。出逢いから50年近く経っても変わらない独特の距離感が2人の間に存在していました。松任谷由実、斉藤由貴、水谷豊、原田真二、鈴木茂と彼に近い人たちからの証言のあとは、その作詞術を言葉を生業とするプロたちが分析します。1998年から約13年webで続いた「風待茶房」も誌面にて復活。綾瀬はるか、ほしよりこ、OKAMOTO’Sがマスター・松本隆と語らう時間。そして大トリは、編集者・岡本仁とミュージシャン・岡村靖幸による松本隆インタビュー。心にいつまでも響く、美しい日本語の歌たちを、もういちど噛み締めてください。



CONTENTS

あなたの心をとらえた、松本隆の歌詞はなんですか?

心にいつまでも響く、美しい日本語の歌
特集 松本隆

2015年4月16日 特集・松本隆企画会議議事録

風街クロニクル
先輩—細野晴臣
盟友(ライバル)—松任谷由実
歌い手—斉藤由貴 水谷豊 原田真二  後輩—鈴木茂

風街研究所
齋藤孝 松尾潔 細馬宏通 安田謙一 クリス松村 嶋浩一郎

風待茶房
綾瀬はるか ほしよりこ OKAMOTO’S

風街歴史館1
松本隆・はっぴいえんどとその前の時代—岡本仁

風街歴史館2
松本隆・作詞家デビュー、そして今。—岡村靖幸

風街スタジオ
ドラマー・松本隆を知っていますか?

風街のこと。

エスプレッソ

特別付録
風街まっぷ と 風街辞典

第2特集・時計
The Little Watch Girl Returns

連載小説「ドルフィン・ソングを救え!」第十三回 著・樋口毅宏

 

…and more!


From Editors 1

美しい日本語の歌の特集は、
美しい言葉の特集でもあります。

8歳、初めての夜更かしは『ルビーの指環』。
10歳、嫉妬という感情を覚えた『ハイティーン・ブギ』、
12歳、女の子の覚めた部分におののいた『卒業』。
そして42歳。センチメンタルな男心が身に沁みる『Tシャツに口紅』。

大人の階段は、作詞家・松本隆とともにのぼってきました。
そして、今聴いても、のぼり階段が見つかります。

言葉の選び方、配し方で感情を揺さぶり、行間で色彩溢れるドラマを想像させる。俳句や短歌など、日本で昔から愛されてきたものと同様、松本隆の歌詞には、美しい日本語の魅力がいっぱいに詰め込まれています。

人それぞれに異なる感情が昂ぶり、心象風景の中で様々なストーリーが描かれていく。聴いて、歌って、口ずさむだけでなく、歌詞カードを見ながら隣の人と話し込む、松本隆ワールドには、さまざまな楽しみ方があります。

吉本ばななさん、ジョン・カビラさん、岡村靖幸さん、川内倫子さんら、松本隆ワールドにはまったど真ん中世代をはじめ、広瀬すずさん、OKAMOTO’Sなどの若手“松本隆”愛好家たち含め45人が登場。彼らの好きな歌(詞)について思う存分語ってもらいました。

みなさんの好きな歌は入っていましたか?

 
●杉江宣洋(本誌担当編集)



From Editors 2

カラオケスナックで改めて知る
松本隆という作詞家のすごさ。

この特集がキックオフしてから、カラオケの曲のタイトル画面を意識して見るようになりました。彼の定番、彼女の十八番。場が盛り上がる名曲の数々にはかなり高い確率で、「作詞/松本隆」の文字が。
そういえば松本さん自身が言ってたっけ。
「最近の若い子は、カラオケで僕の名前を知るんだよね」と。
手がけた曲は約2100曲。「ああ、この曲も松本さんの作詞だったんだ」と、そのすごさを改めて噛み締めるのです。行きつけの、スナックにて。

意識する、しないにかかわらず、松本隆が紡ぐ日本語は、多くの人の心の深層に染み込んでいます。例えば1982年生まれ、いきものがかりの水野良樹さんは、子どもの頃お茶の間で流れている曲たちに触れたことで「松本隆さんの歌詞が無意識に自分の中に血肉化している」ことに、大人になって気づいたと言います。J-POP前夜。ちょうど、松本さんの歌が、オリコンのランキングを席巻していた頃でしょうか。

自分にも血肉化している歌詞がたくさんあります。「制服の胸のボタンを 下級生たちにねだられ」「くもり硝子の向うは 風の街」。聞いていた頃の情景が今でもくっきり浮かび上がるような、想い出に寄り添う言葉たち。なにより、歌わずとも、すらすら口から出てくる歌詞って、そうはありません。

そんな言葉を生み出してきた松本隆とは一体、何者なのか。今回の特集では、たくさんの人に話を聞きました。盟友から、影響を受けた人まで。彼(彼女)らが語る言葉から、また見えてくる松本隆の創作の奥深さと素顔。希代の作詞家、そしてドラマーの魅力にあらためて触れてください。

 
●星野 徹(本誌担当編集)




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