誰もが、彼が書いたそれらの歌をくちずさむことができるでしょう。時代時代にタイムリーなスマッシュヒットを打ち立てながら、タイムレスに愛され続ける作詞家。今号のブルータスは、作詞家生活45周年を迎えた松本隆の特集です。
巻頭は、多くの著名人に聞いた、その心をとらえた松本隆の歌詞について。吉本ばなな、川内倫子、広瀬すず、糸井重里、穂村弘、髙田漣…、影響を受けた歌も時代も人それぞれ。あらためて、その影響力のスゴさを思い知らされます。続いて、松本隆本人も「この人と出逢わなければ今の自分はいない」と語る細野晴臣さんとの対談。出逢いから50年近く経っても変わらない独特の距離感が2人の間に存在していました。松任谷由実、斉藤由貴、水谷豊、原田真二、鈴木茂と彼に近い人たちからの証言のあとは、その作詞術を言葉を生業とするプロたちが分析します。1998年から約13年webで続いた「風待茶房」も誌面にて復活。綾瀬はるか、ほしよりこ、OKAMOTO’Sがマスター・松本隆と語らう時間。そして大トリは、編集者・岡本仁とミュージシャン・岡村靖幸による松本隆インタビュー。心にいつまでも響く、美しい日本語の歌たちを、もういちど噛み締めてください。