漆黒の肌に銀色の斑文、それを取り巻くオーロラのような光彩。あまりの美しさから“碗の中の宇宙”とも称される唐物茶碗「曜変天目」。現存するのは世界でたった3碗のみ。そのすべてが日本にあり国宝に指定されています。実はいま、この滅多に見ることのできない幻の茶碗が、東西の美術館で同時公開されているんです。奇跡の5週間(4/13〜5/19)をもっと楽しむために、茶人・千宗屋さん監修のもと「曜変天目」について掘り下げました。
そもそも「曜変天目」ってなに? どこで作られて、なにがすごいの? 本当に3つしかないの? などなど、基礎知識から風説まで中国陶磁史の専門家が徹底解説。そして東京・京都・大阪の所蔵元を訪ね、美術館の館長やお寺のご住職に話を聞くことで、数百年間の来歴や背後に広がる教え、「宝」としての在り方の違いなど、魅力の秘密を紐解きます。さらにブルータスは、千さんと一緒に「曜変天目」誕生の地、中国「建窯」へ。果てしない数の陶片が積み上げられた窯跡を訪れ、中国陶磁界のキーパーソンに会い、ベールに包まれた宋の茶文化に触れる。旅の終わりに千さんが導き出した曜変をめぐる謎の答えとは? 特別付録「2019年版 会いに行ける名茶碗図鑑30」もお楽しみに!