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POPEYE No. 868

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特集「メキシコが呼んでいる!」

タコスとサボテンだけかと思ったら、それは大間違いだった。高円寺の『KIOSCO』に並ぶ見たことのないおもちゃは本当に市場や博物館に溢れていた。料理はモダン・メキシカン。世界遺産に登録されて、なお進化を続けている。テキーラじゃないメキシコの地酒・メスカルとそのバーは独特で素敵だし、派手なマスクのプロレス、ルチャ・リブレを題材にしたアートは新鮮、グラフィティが生活の一部で、リソと版画は大盛り上がり。ちょっと前にポートランドやベルリンでも感じた、何かを作り出そうとする自由な空気がこの国には流れている。日本から直行便で12時間ならNYとおんなじだ。僕たちはメキシコのことをもっと早く知るべきだった!


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CONTENTS

特集
THE MEXICO CITY GUIDE
メキシコが呼んでいる!

  • メキシコシティは自由の街。
    味の街角/映画『ROMA』のローマはこんなところ/美術館に孔雀/
    朝食とランチ/門外不出の酒・プルケ/マーケットで初体験/
    ルチャ・リブレ/本とカメラ/世界が夢中の地酒・メスカル/
    リソグラフ/版画/陶芸/美術館/ローカルの街案内/
    死ぬ前に見たい/メキシコシティの部屋/スケーター/
    グラフィティ/メキシコシティの1,2,3/シティガール/
    メキシコシティとNYC/ハイエンドなレストラン/グアジャベラ/
    入山杏奈/買ったもの・買った店/毎日タコス/
    現代アートギャラリー/スポーツ専門店/トレッキング
  • KIOSCOのメキシコ買い付けレポート。
  • あの人がメキシコへ向かう理由。
  • 僕らのオアハカ案内
  • SUMMER TIME AMIGOS
  • 日本のメキシコ。
  • 特別付録 Take it with you!
    MEXICO CITY MAP

From Editors 1

「すげー!」「マジか!」を連発。
もうとにかく、今回はまず本誌を手に取って眺めて、読んで下さいと言いたいです。
 
全編おもいっきりメキシコの特集なんて、世界中どこのメディアもやっていないかもしれません。でも実は、アートも食もライフスタイルも、感度の高い人たちはポツポツとメキシコのことを気にしている。なのに、なんだか怖そうだし、遠そうな場所だから行ってない。
 
でも、そこをポパイは思い切って行って、全力で取材してみた。そしたら「やっぱり!」という確信や、「すげー!」「マジか!」という発見ばかり。知らなかったことを知る、というのはやっぱりワクワクして楽しいもので、そういう意味でメキシコはエキサイティングだし、とても自由な国でした。僕はメキシコシティをメインに取材しましたが、オアハカの取材スタッフは「いろんなことがよっぽど進んでいる」と言っています。みんなが何周か回っているうちに、実は今、世界の各都市で人々が求めているものがメキシコにはずっとあった、みたいな感じでしょうか。
 
抽象的なことばかり書いていますが、とにかく読んでみて頂けると嬉しいです。日本から直行便があって、12時間ちょっとで行けて、時期によっては往復10万円代前半。NYと変わらないから、旅をしに行くのもいいかもしれません。怖い怖いというけれど、パリでもスリは多いわけで、他の都市と大きな差があるわけではないような印象でした。
 
それから、冒頭で「眺めて」と書きましたが、それはメキシコの街がカラフルで、楽しい写真が並んでいるから。誌面も新しいデザインになって(実は前号から!)、きっとページをめくって得られる感覚がちょっと新鮮かも。
 
特に表紙には驚くかもしれません。この手作り感、自由に作ってみる感覚は、メキシコで僕たちが感じてきた空気に通じるものがあると思います。
榎本健太(本誌担当編集)
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本誌ではそこまで触れていませんが、タトゥーアーティストも増えています。これはお世話になった方が入れている、タコス(笑)。本場のタコスはびっくりするほど旨い!
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世界で最先端とも言われる食と、そのレストランの雰囲気を、一度は味わっておくべき。ここはルイス・バラガンの建築でモダンメキシカンを頂ける『Tetetlán』。

From Editors 2

僕らがメキシコへむかう理由
アーティストやクリエーターたちがその自由な空気に惹かれて、自然と集まってくる街がある。いっときそれはポートランドだったし、ここ数年はベルリンだろう。が、「ベルリンの次はメキシコシティらしいよ」と聞いたとき、すぐに街のイメージがわかなかった。えーと、タコスとテキーラとピラミッドと…というあまりに浅薄なイメージしか浮かばず、村上春樹さんの著作じゃないけど、「メキシコシティにはいったい何があるというんですか?」状態。知らないからこそ知りたい、見たことがないからこそ見たい、それこそが旅の醍醐味だ、と取るものも取り敢えず、メキシコシティへと向かった。
 
到着からの2週間は驚きと発見の連続。美術館の数がパリと並んでトップクラスで、スケートやファッション、パンクなどのユースカルチャーが盛り上がっていて、リソグラフや版画といった日本人にもなじみ深いカルチャーもある。そして実際にNYやLAからアーティストがどんどん移住していて街に活気があることこの上ない。さらには新しいものだけではなくて、数千年続く民族文化、16世紀のスペイン入植以降の文化もきちんと引き継いでいる。スペインのバロック建築をバックに、トラックバイクやキックボードが疾走する姿はある種、突き抜けた光景だった。
 
とここまで書いてみて、伝えたいことがあれもこれもあって、まとまりのない自分に気がつく。が、もしかして、整理しきれないその豊饒さや多様さ、余白の大きさこそが、メキシコの魅力なのかもしれない。アジアでもアメリカでもヨーロッパでもない、ここにしかない世界。ぜひ、自分の目で、耳で、体で感じに行こう。
斉藤和義(本誌担当編集)
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この旅で感動したものの一つ。この本は1968年に出された本を「RRD」というアート集団が2018年に復刻したもの。当時、メキシコオリンピックの10日前に行われた政府反対デモで起こった大虐殺「トラテロルコ事件」で亡くなった学生の一人とされる、El móndrigoさんが「僕は悪い活動をしていました」と反省の弁を綴った日記本なのだけど、なんとこれ、当時のとある勢力による捏造本だったという噂が。その本を「RRD」は50年後の2018年、事実と異なる部分をすべて真っ黒に塗り潰し、手書きで事実を書き加え、当時とまったく同じ紙とサイズで復刻したそう。「お上の言うこと、やることなんて信じないし、ろくなもんじゃねえよ」というパンク精神がメキシコの人たちの根底にはあった。

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