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POPEYE No. 880

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SUMMER READING 2020
ポパイの読書案内。

サマーリーディングというのは、その名のとおり、夏に本を読もうという習慣だ。休暇を長くとるからなのか、アメリカなんかじゃ当たりまえのカルチャーで、オバマ前大統領やビル・ゲイツは毎年夏に読む本=サマーリーディング・リストを発表したりする。世の中にはたくさんの本があるけれど、短い人生のなかで、僕たちはどれだけいい本に出合えるのだろうか。ボーッとしてたら、夏なんてあっという間だ。今年は心を決めて、自分にとっての良書を探す旅をしてみようじゃないか。特集ではまず、30冊のサマーリーディング・リストをポパイ編集部のみんなで作ってみた。信頼できる本好きたちのオススメや、旬な本の情報も満載で、紹介するのは全200冊。7つの書き下ろしエッセイを収録したブックレット「ブックストアでまた待ちあわせ」は、本誌からペリっと剥がして、好きなところに持っていって読もう。


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CONTENTS

  • いつも心にギンガムチェックを。
    ポケットには文庫本を。

    いつものギンガムチェックのシャツを羽織って颯爽と、読書の1日を。名作の文庫本・6冊を紹介。
  • ポパイのサマーリーディング・リスト 30冊。
    ポパイ編集部のメンバーがあれこれ出し合って考えた30冊のサマーリーディング・リスト。その気になればひと夏で読み切れるかもね。
  • 夏に読みたい本。
    読書は自分と向き合うひとり旅。でも誰かのオススメだって自分のお宝になりうる。柄本佑さん、堀田真由さん、片岡千之助さん、山中瑤子さん、ヤナセジロウさん、柳亭小痴楽さん、田我流さんに、好きな3冊についてインタビュー。
  • Think Week やってみよう!
    日常から1週間ほど離れ、外界を遮断した状態で、静かにひたすら本を読み、考える。ビル・ゲイツが実践しているこの習慣に、池松壮亮さん、蓮沼執太さん、小田香さん、田附勝さん、小野寺伝助さん、乗代雄介さんが5冊ずつ選書してチャレンジ。
  • もしあの子の実家が本屋だったら。
    なぜ本屋に行くのか。それはそこに本があるから、というだけじゃないときもたまにある。
  • Reading Style Sample #01〜03
    「本を読む姿」のスナップを考察してみよう。読書家だったデヴィッド・ボウイや、シュワちゃん、Jay-Z、アレン・ギンズバーグ、マリリン・モンロー、レブロン・ジェームズなど総勢23人登場。
  • Summer Reading Times
    読書で世界一周をするならどうする? オートフィクションって何だ? BLMの問題を考えるには何を読めばいい? 本を処方箋にしたお悩み相談や、最高の読書のお供・メロンソーダの作り方、ニューオープンの書店情報などなど、ポパイ版・本の新聞を読んでみないか?
  • Book in Book
    ブックストアでまた待ちあわせ。

    ペリッと剥がして読める、書き下ろしエッセイ7編を収録したブックレット。片岡義男さん、町屋良平さん、荒内佑さん(cero)、野村訓市さん、松田青子さん、岩井勇気さん(ハライチ)、くどうれいんさんが執筆。

From Editors 1

サマーリーディングとうなぎ。
サマーリーディング、というのはアメリカじゃ当たり前の習慣だし、日本でも夏に本屋に行くと文庫なんかの大きなフェアをやっていますよね。
学校では夏休みに課題図書が出るし、「夏は本を読もう!」っていう空気が当たり前のように漂ってくる。

「夏はうなぎを食べよう」っていう土用の丑の日も似ていて、あれも当然のような顔してうなぎ屋さんとかコンビニにポスターが貼られたりしている。
これは江戸時代の学者・平賀源内が発案した広告キャンペーンみたいなものっていう説が有名で、夏に売れないと嘆く鰻屋から相談を受けて「本日丑の日」というコピーを掲げたら大繁盛したとか。
尾びれ背びれがついて、精力をつけようとかなんとかで、夏にうなぎを食べるのはいいことだ、ってことになっている。

じゃあサマーリーディングはいつ、どこで、どうやって始まったのか?
僕たちは誰のせいで読書感想文を書かなければいけなかったのか(笑)。
そんなことわからないまま、今回は“読書の夏”に思いっきり加担する特集を組みました。
(誰か、正確に知っている人がいたらぜひ教えてほしいです)

でも何であれ、よくわからないけど毎年必ずやってくるこの“夏の気分”っていいもので、
うなぎは脂がのった旬の冬に食べるのが通だけど、夏にだって妙に食べたい。
本なんて季節を問わずに読みたいってのが本筋かもしれないけど、この夏の空気に流されたっていい。
気分に乗って、いつもなら読まないような本を手にとってみたり。
それが意外にも自分にとって良書だったりしたらだいぶツイてますね。

気分に身を任せられる習慣っていうのは軽やかでいいなと思うし、サマーリーディングもいい習慣・いい文化だなと思います。
今回は特集を作った勢いに任せて、急遽、限定の「POPEYE SUMMER READING Tシャツ」も作りました。
全国7つの書店が先行しますが、販売方法も調整中ですので、また近日SNSでお知らせします。

榎本健太(本誌担当編集)
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ドイツの哲学者・ショウペンハウエルは著作の『読書について』で、読書をするということは自分で考えなくなることだ、といったこと述べています。ただ読むだけなら、そうかもしれませんが、ビル・ゲイツが習慣にしているThink Weekは、1週間くらい日常から離れてひたすら本を読み、考えるものです。本誌では俳優の池松壮亮さんなど6名の方が実践。どんな本を選び、何を考えたか。
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これは片岡義男さんの著書『ブックストアで待ちあわせ』。ポパイで70年代〜80年代にやってくださっていた連載の中から、アメリカの本についてだけ抜き出して編んだエッセイ集です。今回の付録ブックレット『ブックストアでまた待ちあわせ』には、片岡さんなど7名が書き下ろしのエッセイを寄稿してくれました。

From Editors 2

読書スイッチ、どこにあるんだろう。
動画が気軽に楽しめるせいで読書離れしていたのですが、好きな本について語る人たちを目の当たりにして、読書スイッチが久しぶりに入りました。
ラッパーの田我流さんが車谷長吉の『赤目四十八瀧心中未遂』の感想として「暗黒を見に纏った人間の心の中が覗けます」と語るのを聞き、守備範囲に入っていなかったこの本を読みたくなったり、レディ・ガガがリルケの言葉をタトゥーにしているのを知り、どれだけ面白いんだ! と初めてリルケに興味が湧いたり。
自分が求めていたのはベストセラーや名著などではなく、誰かが偏愛している本だったようです。他にも、世界文学を集めまくっている福岡のカフェ『ajiro』やポストモダン文学マニアの映画監督、アレックス・ロス・ペリーの話など、この特集には読書スイッチを押してくれる記事がたくさん詰まっています。読書家の人は放っておいても本を読むと思いますが、自分のように「本は好きだけど、まぁ、とりあえず今はいいか」と思っている人たちが「今年の夏は本と向き合ってみるか」という気分になる一冊になっています!
宮本賢(本誌担当編集)
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巻頭ファッションページは文庫本をポケットに入れて1日中読書をする男の子を撮影。どこでも本を読んでしまう人を見ると、読書スイッチが入るかも。
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話し上手な7人に3冊の愛読書を紹介してもらった『夏に読みたい本』では、俳優の柄本佑さんが登場。「もはや読もなくてもいいかも」と思うくらいあらすじと読みどころを話してくれたが、それだけ熱量を持って話せるということはよっぽど面白いんだと気がつき、結局、自分で読みたくなった。

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