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BRUTUS No. 787

人気特集「あたらしい仕事と、ぼくらの未来」第3弾の今回は、「世界で生き抜く、いくつかの知恵」。海外で人々のために働く仕事にフォーカスし、日本を飛び出し困難を乗り越えてきた彼らから世界を生き抜く知恵を授かってきました。「国際協力」という言葉で表される彼らの仕事。そこではグローバルなマインドセットが求められると同時に、日本人だからこその能力をいかに発揮できるかが問われることになります。

例えばウガンダ。サラヤ・イーストアフリカ代表の宮本和昌さんは、手指消毒用アルコールを公立病院に普及させることで、院内感染を著しく低下させることに成功しました。水の少ない地域がゆえ、手をきれいに洗うということすら徹底されていなかった地域で、宮本さんの取り組みは彼らを救うと同時に、自らのビジネスの成功にも結びついたのです。そこで得た知恵は“覚悟力”だと宮本さんは言います。彼の奮闘ぶりを、クリエイターの高城剛さんがヨーロッパから駆けつけ取材してくれました。

他にも、ベトナム・ハノイに大きな橋を架けに向かった日本人たちをクリエイティブディレクターの箭内道彦さんが、フィリピン・ルソン島で20年間子ども支援を続けるNPO代表をフリーアナウンサーの平井理央さんが、ラオス・ヴィエンチャンでバスの無償供与に携わり公共交通の普及を目指すJICA職員を社会学者の古市憲寿さんが取材。ペルー、キルギス、ブルキナファソ、エチオピア、ガザと、世界のためにたくましく生きる人々がたくさん登場します。過去の国際協力経験を経て今は新たな道で活躍している方々のストーリー「あの海外経験があったから、今の私がある」も必読。

世界から授かったのは仕事の知恵だけではありません。「今すぐ使える!? 日本では学べない世界の知恵30」では、今回特集に登場して頂いた方々に、海外で生きるからこそ身に付いた生活のさまざまな知恵を教えてもらいました。世界の広さ、面白さを知るトリビア集です。そして特別付録は「国際協力ってなんだろう?HANDBOOK」。国際協力=ボランティアということではありません。そもそも国際協力とは何か、また、日本はいま世界に対して何ができるのか。分かりやすく噛み砕いてまとめた、これからの激動の世界を良くするためのハンドブックです。

世界のために、たくましく生きる。彼らが世界で得たいくつかの知恵から、混沌としたこれからの未来を生き抜くためのヒントがこの特集で見つかるかもしれません。

そして、この特集と同日に販売されるのが、ムック「日本一の『手みやげ』&『お取り寄せ』はどれだ!?」。2011年12月に発売した「日本一の『手みやげ』は、どれだ!?」特集と2014年2月に発売した「日本一の『お取り寄せ』最終案内。」の2冊が1冊に。もちろん商品データもアップデート済、新コンテンツ「お茶漬けグランプリ」もついて、食欲の秋に必読の永久保存版です。



CONTENTS

世界のために、大勢の日本人が、海を渡って様々な国で活躍中!

特集
世界で生き抜く、いくつかの知恵。

世界のために働く日本人に、知恵を授かりに行きました。

1.ウガンダ/宮本和昌さんの“覚悟力”。

2.ペルー/榎本智さんの“察知力”。

3.フィリピン/横田宗さんの“発動力”。

4.キルギス/杢尾雪絵さんの“向き合い力”。

5.ブルキナファソ/杉山弘樹さんの“見守り力”。

6.ラオス/譲尾進さんの“鍛錬力”。

7.エチオピア/梛野愛さんの“質問力”。

8.パレスチナ/金子由佳さんの“共感力”。

9.ベトナム/大きな橋を架ける日本人のもとに、箭内道彦が会いに来た。

国際協力がわかる、イベント情報。

Book in Book
国際協力ってなんだろう? HANDBOOK

国際協力の扉を開ける、就職情報。

あの海外経験があったから、今の私がある。

今すぐ使える? 日本では学べない世界の知恵30。

ブータンから気仙沼へ。世界のために働くということ。

連載小説「億男」著・川村元気

 

…and more!


From Editors 1

(個人的な話で恐縮ですが)
私とこの特集との20年前の縁。
国際協力の分野で働く人々に学ぶ今回の特集。私たちの仕事の始まりは、JICA(国際協力機構)・JVC(日本国際ボランティアセンター)・JANIC(国際協力NGOセンター)などに今回の企画趣旨を説明し、人選候補を提案して頂くというところから始まりました。大量に届いたリストを編集部スタッフたちと共に隈無く読みながら取材対象を絞っていく作業。そして最終的な人選に残った方々の活動説明を改めて読んでいた時、20年前の記憶が突如、鮮明に甦ったのでした。

当時20歳だった私はいわゆるバックパッカーだったのですが、ただ世界を放浪することに疑問を感じ始めていました。その時に親友に教えられたのが、フィリピンの田舎町で、ピナトゥボ火山の灰に埋もれた孤児院に滞在しながら復興活動に従事する活動。約1ヶ月弱の滞在でしたが、あの時感じたことや考えたことが、その後の私の人生に大きな影響を与えました。その孤児院を拠点に、子ども支援の活動をされている方がこのリストの中にいる。現場の編集者に「この取材は私に行かせてくれないか」と頼み、20年ぶりにフィリピンを訪れたのです。

カスティリヤホス町の孤児院〈ジャイラホーム〉を拠点に活動するNPO、ACTIONの代表を務める横田宗さん(本誌34-37ページ参照)は、私が行く1年前に高校生で単身この孤児院を訪れ、そのまま今の仕事を始められました。横田さんとマニラで落ち合い、昔話も弾み、3時間が過ぎた頃、クルマはジャイラホームへと到着。ほとんど建物も無かった孤児院は、小学校の建物も併設する大きな敷地に。灰に埋もれていた土地は緑が生い茂り、目の前のガタガタ道は舗装されていました。でも子供たちはあの頃と同じように人懐っこく、孤児院をつくりあげたジョエル神父は変わらずよく笑い。神父は私の目を見てこう言いました。「ジャイラホームがここまで大きくなれたのも、ハジメ(横田さん)のおかげだよ」と。あれから20年、横田さんは、フィリピンの恵まれない子供たちのために、さまざまな活動を続けています。私は、あのとき感じた、世界中で起きていることをもっと知りたいし伝えたいという気持ちを持ちながら今の仕事を続けています。そして今回、横田さんのたくましく素晴らしい生きざまを取材することができた。20年前にこの場所でもやもやと考えていたことが、ひとつ結実したような気がしました。

この特集には、世界の人々のために働く方々がたくさん登場します。慣れない土地で困難を乗り越えながら、お金以上に大切なものを見つけ、人の幸せを願い働く。そして彼らが日々の中で得た世界を生き抜く知恵は、シンプルな言葉ながらも、私たちの胸に深く突き刺さるものでした。世界を生き抜く知恵とは、佳い人生を送る知恵。読者の皆様が自らをゆっくりと見つめてみる機会のひとつになれば、とても嬉しいです。

 
●田島 朗(本誌編集担当)
20年前に孤児院の子供たちと写真を撮った(上)のと同じ場所で、ジョエル神父と記念写真を撮りました。ジョエル神父は私を見て「20年前と全然変わってないね! お腹以外はね」と言いました。神父、僕も40歳になりました…ToT


From Editors 2

世界を舞台に、
誰かのヒーローになる仕事。
「ジャパニーズ・バス・ヒーロー?」

場所はラオスの首都ビエンチャンのセントラル・バス・ステーション。今回の取材対象者の一人であるJICA(国際協力機構)ラオス事務所の譲尾進さんの撮影をしていたときに、地元のラオ人のおじさんに尋ねられました。

イエス、彼はヒーローです。

JICAラオス事務所では、ODAの一環として交通インフラの整備に取り組んでいます。3年前からこの地に赴任し、プロジェクトを進めているのが譲尾さん。停留所に集まる緑色のバスは、日本から供与されたISUZU社製のもので、車体には日本の国旗も貼られています。最終便が17時台だったりと、まだまだ課題はあるものの、ビエンチャンの交通事情を劇的に良化させていることは明らかで、自分たちの生活を便利に、快適にするために働いてくれている譲尾さんは、彼らにとってヒーローなんだなと実感。

人が仕事に求めるモチベーションはさまざまです。自己実現、好きなことの追求、より高い収入、社会的名声……。どの動機が正しいとか、優れているとかはないけれど、それでも、「誰かのために」する仕事には有無を言わせぬ力があり、羨ましくも思います。譲尾さんをはじめ、今回の特集に登場するのは、世界を舞台に誰かのヒーローになっている働き人たち。彼らが得たノウハウ、知恵、仕事術は人それぞれですが、その背景に共通してあるのは、ごく純粋な願望なんだと感じました。



ブルータス特別編集

遂にムックになって登場、
「日本一の『手みやげ』&『お取り寄せ』はどれだ!?」

BRUTUSの中でも人気の企画、「手みやげグランプリ」と「お取り寄せグランプリ」。10年前に誕生し、脈々と受け継がれてきた特集です。毎回、4人の審査員が一度に200品目近くを食べて、日本一の「手みやげ」または「お取り寄せ」を決める審査会を開催。審査員にとってもスタッフにとっても嬉しく、楽しく、過酷な審査会の様子をライブ感溢れるテキストで実況しつつ、商品をきっちり紹介し、読み物としてもカタログとしても読み応えたっぷりの内容で、好評をいただいてきました。今回、2011年末に発売した「日本一の『手みやげ』は、どれだ!?」特集と2014年2月に発売した「日本一の『お取り寄せ』最終案内。」の2冊を合本して1冊に。また巻末には、お茶漬けに「お取り寄せ」をちょい足しし、箭内道彦さん、平野由希子さん、鈴木おさむさんの新しい審査員三名が審査会を開催した「お茶漬けグランプリ」など、お茶漬けとお取り寄せの組み合わせの妙をさまざまな形で紹介した新コンテンツも。手みやげ、お取り寄せともに使えるアイテム満載で、秋冬のパーティシーズンや、お歳暮にお役立ち間違いなしです。

●草野 裕紀子(担当編集)

ブルータスのツイッター、もう見ましたか?

各特集の担当編集が、ロケ現場から、編集部から、制作過程の今をつぶやくブルータスのツイッター、@BRUTUS_mag。幅広い複数のテーマを持った特集が同時進行で進められるブルータスならではの、取材現場の緊張感や醍醐味が体感できると好評です。まずは下記のリンクからチェック!

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